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【エクスプレスエントリー改革】「高収入職種(High-Wage Occupation)」優遇の仕組みとは?カナダ移民局が検討中の新評価制度と日本人への影響 

投稿日:2026年5月28日

更新日:2026年9月22日

【エクスプレスエントリー改革】「高収入職種(High-Wage Occupation)」優遇の仕組みとは?カナダ移民局が検討中の新評価制度と日本人への影響 

カナダ移民局(IRCC)が検討しているエクスプレスエントリー改革のなかで、特に注目されているのが「High-Wage Occupation factor(高収入職種評価)」です。
これまでの就労経験・学歴・年齢・英語力に加え、どの職種で働いているか、その職種がカナダ経済にどれだけ貢献するかを重視する流れが見えてきています。日本人申請者への影響を整理します。


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エクスプレスエントリーを使う3つのカテゴリーは「一本化」される方向で検討中

現在のエクスプレスエントリーは、以下の3つの永住権申請カテゴリーに分かれています。

しかしIRCCは現在、これらを統合し、よりシンプルな1つの選考システムへ再編する方向を検討しています。
つまり今後は「CECだから有利」 、「カナダでの就労経験があるから安心」 という現在の考え方が、変わっていく可能性があります。

「カナダ就労経験」だけでは有利とは限らなくなる?

今回の改革で特に大きいポイントの一つがここです。現在のエクスプレスエントリーでは、「Canadian work experience(カナダでの就労経験)」はスコア配分が高く非常に重要な評価対象です。そのため、以下のルートで永住権を目指す方が多くいます。 

  • 留学 → PGWP → CECで永住権
  • ワーキングホリデー → 就労ビザ → CECで永住権 

しかし今回IRCCが示している方向性では、「カナダで働いたか」よりも「どの職種で働いているか」を重視する方向へシフトしているように見えます。単にカナダで1年間働くことだけではなく、職種、賃金水準、市場価値、スキルレベルなどが、これまで以上に重要になる可能性があります。 

『とにかくカナダ国内で1年働けば、CECでポイントが入って永住権に繋がる』という従来の必勝パターンが揺らぎ始めています。今後は『職種選び(NOC)』の段階から、将来の永住権を見据えた厳密な戦略が必要になります。 

注目される「高収入職種(High-Wage Occupation factor)」の仕組み

今回の改革案の中でも、特に注目されているのが「High-Wage Occupation factor」です。カナダ移民局が現在検討している内容によると、「高賃金帯に分類される職種」に対して、追加のCRSポイントを与える可能性があります。ただし重要なのは、「個人の年収」で判断するわけではないという点です。

個人の給料ではなく「職種(NOC)」ベースで評価

今回検討されている制度では、「個人が実際にいくら稼いでいるか」ではなく、 「その職種の一般的な賃金水準」を基準に評価する方向とされています。つまり、同じ年収でも、高賃金職種 と、低賃金職種 とでは、評価が変わる可能性があります。カナダ移民局は、Statistics Canadaなどのデータをもとに、各NOC職種の中央値賃金を参考にする方向を示しています。

どのくらいの追加ポイントになる?(段階的加点案)

現時点ではまだ正式決定ではありませんが、IRCCが示している案では、職種の賃金レベルによって段階的に追加ポイントを付与する方向が検討されています。 

▼ 検討されている追加ポイントの基準案 

  • 全国中央値以上 
  • 全国中央値の200% 
  • 全国中央値の300% 

つまり今後は、 「高スキル職種」かどうかだけではなく、 「高賃金職種」かどうかが重要になる可能性があります。 

どんな職種が有利になり、どんな職種が不利になるか 

現時点では正式な対象職種リストはありません。ただ、一般的にデータ上、高賃金帯に分類されやすい職種としては、以下が挙げられる可能性があります。 

有利になる可能性がある職種(高賃金帯) 

  • ITエンジニア 
  • ソフトウェア開発職 
  • 一部の管理職 
  • 医療専門職 
  • 金融専門職 
  • エンジニア職 

一方で、「比較的低賃金帯の職種」や、「entry-level(エントリーレベル)中心の職種」は、これまでより有利性が下がる可能性があります。 

日本人申請者への影響と、これからのキャリア設計 

今回の方向性は、日本人申請者にもかなり影響がありそうです。特に、以下のような方にとっては、「カナダで1年働けば有利」という従来の考え方だけでは不十分になる可能性があります。

  • 留学後にPGWPで働いている方 
  • ワーキングホリデー後に永住権を目指している方 
  • CECを前提にキャリア設計している方 

今後は、「どの職種に就くか」、「将来的にどの市場価値を持つか」、「賃金水準が高い職種か」、といった点も、より重要になっていくと考えられます。

まだ正式決定ではない点には注意

ただし、今回の内容は現時点ではまだ「提案段階」です。カナダ移民局は現在、関係者との協議や制度設計を進めている段階であり、正式導入時期もまだ決まっていません。そのため、現段階で過度に不安になる必要はありませんが、エクスプレスエントリーの方向性が変わり始めているという点は、非常に重要な変化だと思います。 

まとめと白石有紀からのコメント

今回の改革案を見て感じるのは、エクスプレスエントリーがこれまでの「カナダ経験重視」から、「経済的価値・市場価値重視」へ徐々にシフトしているという点です。もちろん、カナダでの就労経験が重要でなくなるわけではありません。

ただ今後は、以下のような視点が、これまで以上に重要になる可能性があります。

  • どの職種で経験を積むか 
  • その職種の市場価値は高いか 
  • 将来的に高賃金帯へ成長できるか 

特に日本人の方の場合、「まずカナダへ行って、その後仕事を探す」というケースも少なくありません。しかし今後は、永住権戦略も含めて、より長期的なキャリア設計が必要になる時代に入っていくかもしれません。

新制度を見据えたプロによるバックアップ

エクスプレスエントリーの選考基準が大きく舵を切ろうとしている今、大切なのは「現在の自分の立ち位置」を正確に把握し、現行ルールで滑り込めるのか、それとも新ルールに備えた職種選定を行うべきかを見極めることです。

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白石 有紀 (Yuki Shiraishi)

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白石 有紀 (Yuki Shiraishi)

アメリカミシガン大学にて学士取得後、ニューヨークでマーケティングコンサルタントとして働く傍らニューヨーク市立大学MBAコースに就学。その後日本での旅行会社マネージャー経験を経て、カナダでのイミグレーションの仕事へ。2010年から移民コンサルタントとして活躍。白石ビザJPカナダ代表。

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