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2026年6月23日、カナダ連邦政府と各州・準州の移民担当大臣による会合が開催されました。
近年のカナダでは、住宅不足や医療体制への負荷、生活コストの上昇などを背景に、移民政策の見直しが進められています。一方で、深刻な人材不足を抱える地域や産業も多く、移民の受け入れ自体を止めるわけではありません。
今回の会合では、「持続可能な移民制度」と「地域経済に必要な人材確保」の両立が大きなテーマとなりました。発表内容をもとに、今後のカナダ移民政策の方向性と、各州が求める人材について解説します。
連邦・州・準州の移民大臣会合の主な議題
今回の会合には、カナダ連邦政府と各州・準州の移民担当大臣が参加し、今後の移民政策について協議が行われました。主な議題は以下の通りです。
- 2027年以降の移民受入計画
- 労働力不足への対応
- 地域社会の受入能力
- PNP(各州ノミネーションプログラム)の役割
移民を単純に増やすのではなく、各地域の状況に合わせた持続可能な移民政策を目指す姿勢が改めて示されました。
カナダ政府は移民数を「持続可能な水準」へ
カナダ政府は2024年以降、移民数の調整を進めています。その背景には以下の問題があります。
- 住宅供給不足
- 医療サービスへの負荷
- インフラ整備の遅れ
- 生活費の上昇
今回の会合でも、「持続可能な移民(Sustainable Immigration)」という言葉が繰り返し使われており、今後も移民数全体の抑制方針は継続される見込みです。
一時滞在者は2027年末までに人口の5%未満へ
連邦政府は既に、留学生、就労ビザ保持者、その他の一時滞在者を含む一時滞在者数を、2027年末までにカナダ人口の5%未満に抑える目標を掲げています。
そのため、今後も以下の制限が続く可能性があります。
- 留学生受け入れ上限(Cap)
- 配偶者就労ビザの制限
- 一部就労ビザ制度の見直し
これまでのように「とりあえずカナダへ来て、その後永住権を目指す」という戦略は以前より難しくなっていると言えるでしょう。
PNPは地域の人材不足対策として重要
一方で、今回の会合で非常に興味深かったのは、各州がPNP(Provincial Nominee Program)の重要性を強く訴えていたことです。
PNPは、各州が自州の労働市場に必要な人材を選抜し、永住権候補者として移民局に推薦する制度です。連邦政府が移民数全体を抑制する方針を示している中でも、「地域経済を支える人材は引き続き必要である」という認識が共有されていることが読み取れます。実際に、多くの州では依然として深刻な人材不足が続いています。
今後の永住権申請では「州のニーズ」との一致がより重要に
今回の会合から見えてくるのは、「英語力や学歴だけではなく、その州が必要としている人材であるかどうか」がこれまで以上に重要になるということです。
エクスプレスエントリーやPNPの選考においても、今後は州ごとの優先職種との一致がより重視される可能性があります。
今後、各州政府が求める優先職種・産業
州ごとに経済構造や人口構成は異なります。そのため、求められる人材も州によって大きく異なります。
▼ カナダ各州・地域が求める優先ターゲット一覧
| 州・地域名 | 特に需要の高い優先職種・産業 | 特徴と注意点 |
|---|---|---|
| ブリティッシュコロンビア州 | 医療従事者、幼児教育、建設関連職 | 対象を大きく絞り込み中。住宅不足対策として建設業、高齢化対策として医療が最優先。 |
| アルバータ州 | 建設業、エネルギー関連産業、技術職(手に職を持つ技能職)、輸送業 | 石油・天然ガス産業が盛んな経済構造を反映し、現場を支える技術職の需要が強め。 |
| サスカチュワン州 | 農業、食品加工、医療、技術職 | 慢性的な人材不足。州政府は以前から「地域への長期定着」を重視する傾向。 |
| マニトバ州 | 製造業、医療、輸送業、技術職 | 雇用主(現地企業)との強いつながりや就労実績が重視される州。 |
| オンタリオ州 | 医療、技術職、エンジニア、一部のIT分野 | 人口最大州ゆえに医療や現場職の不足が深刻。※一般的なオフィスワークや事務職は競争が激化。 |
| アトランティック地方 (NS, NB, PEI, NLの4州) | 医療、幼児教育、介護、ホスピタリティ、サービス業 | 人口減少への危機感が強く、他の州に比べて比較的幅広い分野で人材を広く募っている。 |
| 北部準州 | 医療職、建設業、重機オペレーター、技術職 | 人口規模が小さいため、特定分野の不足が地域に直結。現場系専門職への依存度が高い。 |
ブリティッシュコロンビア州
BC州は近年、PNPの選抜対象を大きく絞り込んでいます。人口増加が続く一方で住宅不足が深刻化しているため、建設業の人材確保は州政府にとって重要課題となっています。また高齢化に伴い、医療分野の需要も非常に高い状況です。優先されているのは以下の分野です。
- 医療従事者
- 幼児教育
- 建設関連職
アルバータ州
アルバータ州では以下の需要が高い状態が続いています。石油・天然ガス産業を中心とした経済構造を持つため、技術職や現場職への需要が比較的強い州と言えるでしょう。
- 建設業
- エネルギー関連産業
- 手に職を持つ技術職
- 輸送業
サスカチュワン州
サスカチュワン州は人口が少なく、慢性的な人材不足に直面しています。州政府は以前から「地域への定着」を重視する傾向があります。
- 農業
- 食品加工
- 医療
- 手に職を持つ技術
マニトバ州
マニトバ州では以下の需要が高い傾向があります。また、雇用主との結びつきを重視する州としても知られています。
- 製造業
- 医療
- 輸送業
- 手に職を持つ技術職
オンタリオ州
オンタリオ州はカナダ最大の人口を抱える州ですが、人材不足も深刻です。ただし、一般的なオフィスワークや事務職については競争が非常に激しくなっています。
- 医療
- 手に職を持つ技術職
- エンジニア
- 一部のIT分野 (※IT全般ではないので注意)
大西洋岸地域
Nova Scotia、New Brunswick、Prince Edward Island、Newfoundland and Labradorの4州では、人口減少が大きな課題です。そのため、比較的幅広い分野で人材確保が求められています。
- 医療
- 幼児教育
- 介護
- ホスピタリティ
- サービス業
北部準州
準州地域では以下の不足が続いています。人口規模が小さいため、特定分野の人材不足が地域全体に大きな影響を与える傾向があります。
- 医療職
- 建設業
- 重機オペレーター
- 技術職
まとめ:移民制度は厳格化しつつ、必要な人材にはチャンスも残る
今回の移民大臣会合から見えてくるのは、「移民数そのものを増やす時代から、必要な人材を戦略的に受け入れる時代へ」という流れです。
留学生や一時滞在者に対する規制は強化されていますが、その一方で各州が必要としている職種や産業には、引き続き永住権取得のチャンスが残されています。これからのカナダ移民では、「どの州で、どの産業で、どのように地域社会や労働市場に貢献できるか」がこれまで以上に重要になるでしょう。
各州のニーズも、年々変わる可能性があります。数年前に需要が高かった職種が今は低くなっている、ということもよくあります。永住権を目指す方は、自分の職歴や学歴だけでなく、各州が求める人材像との一致を意識しながら、長期的な計画を立てることが重要になりそうです。
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