オンタリオ州PNP(OINP)が歴史的大刷新|8ストリームを廃止し、新制度「Ontario Workforce Priority Stream」へ一本化
投稿日:2026年7月9日
更新日:2026年7月9日
目次
オンタリオ州政府は2026年6月26日、州ノミネーションプログラム(Ontario Immigrant Nominee Program:OINP)の大幅な制度改革を発表しました。
今回の改革では、これまで運用されていた8つの主要ストリームを廃止し、新たに「Ontario Workforce Priority Stream」へ一本化します。これは2段階で実施される大規模な制度改革の「第1弾」となります。現在オンタリオ州で就労中の方や、今後同州での永住権取得を目指す方にとって、戦略の全般的な見直しを迫られる極めて重要なニュースです。
制度改革の4つの目的
オンタリオ州政府は、今回の劇的な見直しについて以下の目的を挙げています。
- オンタリオ州で就職している人が永住権を目指しやすくする
- 人材不足の職種で雇用主が優秀な人材を確保・定着しやすくする
- 英語力や学歴の基準を引き上げ、州ノミネーションプログラムの質と信頼性を高める
- 地方・北部地域の雇用主については売上要件を緩和し、人材確保を支援する
【新規受付終了】廃止された従来の8ストリーム
今回の制度変更により、以下の使い慣れた8つのストリームは新規受付を終了しました。
- Employer Job Offer: Foreign Worker
- Employer Job Offer: International Student
- Employer Job Offer: In-Demand Skills
- Master’s Graduate
- PhD Graduate
- Express Entry Human Capital Priorities
- Express Entry French-speaking Skilled Worker
- Express Entry Skilled Trades
これらに代わり、新たな「Ontario Workforce Priority Stream」が導入されます。
新ストリームの主な申請要件一覧
新ストリームの申請要件は、対象となる職種のスキルレベル(TEER)によって大きく2つに分けられます。それぞれの具体的な条件は以下の通りです。
スキルド職種(TEER 0〜3)
専門職・管理職・技術職など。
| 項目 | 要件・条件 |
|---|---|
| ジョブオファー | オンタリオ州の雇用主からの、フルタイムかつ期間の定めのない(正社員)ジョブオファー |
| 職歴 | 以下のいずれか一つを満たすこと: ① ジョブオファーをくれた雇用主のもとで、その職種で過去12ヶ月以内に6ヶ月連続勤務 ② オンタリオ州の学校の卒業生は、同じ雇用主・職種で過去12か月以内に3ヶ月連続勤務 ③ 過去5年間で、ジョブオファーと同じ職種での累積2年間の職歴 ※州のライセンスが必要な一部職種は職歴要件が免除されます。 |
| 英語力 | CLB 6 以上(※一部の指定職種はCLB 5でも可) |
| 学歴 | カレッジまたは大学卒業以上の学位(ポストセカンダリー) |
ロースキル職種(TEER 4〜5)
エントリーレベル職種など。
| 項目 | 要件・条件 |
|---|---|
| ジョブオファー | オンタリオ州の雇用主からの、フルタイムかつ期間の定めのない(正社員)ジョブオファー |
| 職歴 | ジョブオファーをくれた雇用主のもとで、その職種で過去2年間に通算9か月以上の職歴 |
| 英語力 | CLB 4 以上 |
| 学歴 | カナダの高校卒業と同等以上 |
新制度ではすべてのレベルにおいて『オンタリオ州の現地雇用主のもとでの、数ヶ月以上の継続した就労実績』が強力に重視される設計へとシフトしています。文字通り『現地で実際に働いている人』を最優先する意思の表れです。
自営業の医師はジョブオファー不要
オンタリオ州で自営業として働く医師は、ジョブオファーなしでも申請できます。主な条件は以下のとおり。
- 自営業の医師はジョブオファー不要
通常は必須となる「雇用主からのジョブオファー」が、自営業としてオンタリオ州で働く医師に限り免除されます。ただし、以下の条件をすべて満たす必要があります。- CPSO(College of Physicians and Surgeons of Ontario)の正会員であること
- 適格区分において、有効な登録証明書を保有していること
- OHIP(オンタリオ州健康保険)への請求資格があること
地方の雇用主には要件緩和
- 地方の雇用主への要件緩和
人口15万人未満の地方・北部コミュニティに所在する企業については、外国人材をサポートする際に雇用主に課される「年間売上要件」のハードルが引き下げられます。これにより、大都市圏以外の深刻な過疎化・人材不足に悩む地域での採用活動を後押しします。
現在EOIを登録している方への影響
制度の移行に伴い、現在のEOIシステムは新規受付を完全に停止しました。これによる影響は、現在のあなたのステータスによって明確に分かれます。
【まだ招待(ITA)を受けていない方】
旧ストリームで登録済みで、まだInvitation to Apply(ITA)を受け取っていないEOIは、順次取り下げられますので、今後、新制度のEOI受付開始後に、新たに登録し直す必要があります。
そのため、今後新制度のEOI受付がスタートした後に、新しい基準に沿って一から登録し直す必要があります。
【すでにITAを受け取り、申請を完了している方】
すでにITAを受けて申請済みの案件については、申請時点の旧制度に基づいて審査が継続されます。
不正防止とコンプライアンス(制度運営)の厳格化
プログラムの悪用や虚偽申請を防ぐため、州政府の取締り権限も強化されました。
- 行政罰や利用禁止命令に対する回答期限を60日から30日に短縮
- 違反通知をメールでも送付可能に変更
これにより、州政府がより迅速に対応できる仕組みとなりました。
白石ビザJPカナダからのアドバイス
今回の改革は、近年のオンタリオ州ノミネーションプログラムとしては最も大きな制度変更の一つといえます。
従来のように複数のストリームから選択する方式ではなく、就職している外国人を中心とした一本化された制度へ移行することで、制度がよりシンプルになる一方、英語力や学歴などの基準は従来より高くなるケースもあります。
また、現在EOIを登録している方の中には、新制度への再登録が必要になる方もいますので、ご自身の状況を早めに確認しておくことをおすすめします。
なお、新しいEOIシステムの開始時期や詳細な運用方法については、今後オンタリオ州政府から追加の発表が予定されています。当社でも最新情報が入り次第、随時お知らせいたします。
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