BC州政府は、「BC PNP Statistical Report and Year in Review 2025」を公表しました。
BC州政府は、「BC PNP Statistical Report and Year in Review 2025」を公表しました。
この資料には、2025年にBC Provincial Nominee Program(BC PNP)で実際にどのような人が州から移民局あての推薦を受けたのか、どの職種・地域・Streamが重視されたのかが詳しくまとめられています。
2025年は、BC PNPにとって大きな転換点となった年でした。
連邦政府による、各州ノミネーションプログラム(PNP)の枠削減によって、BC州の推薦人数枠は当初、2024年の8,000人から4,000人へ半減しました。
一方で、International Post-Graduate(IPG)Stream閉鎖前の駆け込み申請により、2025年のスタート時点ですでに約5,200件の申請在庫がありました。つまり、年初の段階で、申請在庫だけで当初の年間Nomination枠を上回っていたことになります。
この厳しい状況の中で、BC州は「誰に限られた人数枠を使うのか」を、これまで以上に明確に選別する必要がありました。
その結果として見えてくるのが、現在のBC PNPの方向性です。
2025年の最終Nomination枠は6,214人
2025年当初、BC州に与えられたNomination枠はわずか4,000人でした(2024年は8,000人)。しかし、年初の段階ですでにInternational Post-Graduate(IPG)Stream閉鎖前の駆け込み申請などにより約5,200件の申請在庫があり、枠を大幅に上回る状態からのスタートでした。
その後、連邦政府から追加枠が配分され、最終的なAllocationは6,214人となりました。BC州はこの枠をすべて使用しています。
- Skills Immigration(学歴・職歴による申請): 6,195人
- Entrepreneur Immigration(起業による申請): 19人
実績を見ると、BC PNPのほぼすべてが「Skills Immigration」で占められていることが分かります。
2025年に最もはっきり表れた「医療分野(Healthcare)」への集中
2025年のBC PNPで最も目立つのが、医療(Healthcare)分野への重点配分です。
Clinical Health Occupationで推薦された人の人数は、2025年に1,374人となり、Skills Immigration全体の22.2%を占めました。
特に注目したいのが、雇用主による違いです。
| 医療職種の雇用主タイプ | 2024年の推薦人数 | 2025年の推薦人数 | 増減傾向 |
|---|---|---|---|
| 保健当局(Health Authority) | 641人 | 1,180人 | 大幅増加 |
| 保健当局以外の雇用主 | 698人 | 194人 | 大幅減少 |
つまり2025年は、単に「医療職種を優先した」というより、BC州の保健当局で働く医療従事者へ、より強く推薦枠を集中させたと見ることができます。
実際、2025年には218人の医師、652人の正看護師(Registered Nurse)および診療看護師(Nurse Practitioner)が推薦を受けました。限られた推薦人数枠を、州民の生活に直結する医療サービスへ重点的に使うという、BC州の政策判断が明確に表れています。
優先分野だったECE、Tech、Constructionの推薦数が減少
一方で、これまでPriority Occupationとして強く注目されてきた職種の多くは、2025年にNomination数が減少しました。
| 職種・分野 | 2024年の推薦数 | 2025年の推薦数 |
|---|---|---|
| 保育従事者(Childcare) | 1,279人 | 409人 |
| 建設建築従事者(Construction) | 496人 | 266人 |
| 動物医療従事者(Veterinary) | 48人 | 25人 |
また、テクノロジー分野(Tech)についても同様の傾向が見られます。
- 2023年:2,490人(全体の30.4%)
- 2024年:1,302人(全体の16.3%)
- 2025年:607人(全体の9.8%)
ただし、これは「BC州がテクノロジー人材を必要としていなくなった」という意味ではありません。
報告書では、2025年から導入された新しい選抜方法である「High Economic Impact(HEI)Draw」により、高給与の人材やExpression of Interestで高得点を得た人材を重点的に選ぶようになったと説明しています。テクノロジー人材の中にも、このHEIの枠組みで選ばれた人が含まれており、これは今後のBC PNPを考えるうえで非常に重要な変化です。
「職種」だけでなく「経済貢献(給与水準等)」が重要に
以前のBC PNPでは、「自分のNOCコードが優先職種に入っているか」という点が非常に分かりやすい判断材料でした。しかし2025年からは、それだけではなく「その人がBC州経済にどの程度の影響を与えるのか」という視点が強くなっています。
その影響は、推薦者の給与水準に顕著に表れています。
- 2025年のSkilled Workerカテゴリーの平均賃金(年収): 約105,000ドル
- Skills Immigration全体の平均賃金(時給): 41.42ドル(BC州全労働者の平均時給32.49ドルを大きく上回る)
つまりBC PNPは、単に人手不足を補う制度から、「限られた枠を、より高い経済効果が期待できる人材に使う」という方向へ、明確に舵を切っていると言えます。
地方への移住(Regional)も引き続き重要な政策目標
BC PNPでは、バンクーバー近郊以外の地域への定着も引き続き重要な政策目標です。
2025年のSkills Immigration Nomineeのうち、38%がバンクーバー近郊以外に居住・就労していました。BC PNPの目標は35%以上ですので、2025年もこの目標を上回っています。
| 地域(Development Region) | 占める割合 |
|---|---|
| Metro Vancouverを含むバンクーバー近郊(Mainland/Southwest) | 64.9% |
| Vancouver Island / Coast | 15.6% |
| Thompson / Okanagan・Kootenay | 12.2% |
| 北部地域(Northern regions) | 7.4% |
特にEntrepreneur Immigrationでは、2025年に推薦を受けた人全員がバンクーバー近郊以外で事業を行っていました。地方経済の活性化という役割も、BC PNPの重要な柱であることが分かります。
推薦者の「約90%」は、すでにBC州で生活・就労していた
もう一つ注目したい数字があります。2025年にBC PNPから推薦された人の約90%は、すでにBC州で生活し、働いていました。
BC州政府は、これによって一時滞在から永住への移行を促進し、連邦政府が進める一時滞在者人口削減にも貢献したと説明しています。
この数字からも、現在のBC PNPが、
- 「海外から新しい人材を呼び込む制度」 というより、
- 「すでにBC州で働き、州とのつながりを持っている人の中から、必要な人材をPR(永住権)へ移行させる制度」 という性格を強めていることが分かります。
今後BC州で永住権を目指す場合も、「どの学校を卒業したか」だけではなく、実際にBC州でどのような仕事に就き、どのような経済的・社会的役割を担っているかが、ますます重要になってくると考えられます。
2025年のStream別結果は、そのまま今後の姿ではない
2025年のSkills Immigration Nomineeをストリーム別で見ると、以下の構成になっています。
| ストリーム名 | 推薦者の割合 |
|---|---|
| International Post-Graduate(IPG) | 41% |
| Health Authority | 27% |
| Skilled Worker | 22% |
| International Graduate | 9% |
| Entry-Level and Semi-Skilled | 1% |
しかし、これは今後のBC PNPの通常の姿と考えるべきではありません。
International Post-Graduate Streamが41%を占めているのは、このStreamが閉鎖される直前に大量の申請が入り、その在庫を2025年に処理したという特殊事情があるためです。
実際、職業カテゴリーでも「No listed occupation(IPG Stream)」が全体の41.1%を占めています。そのため、2025年の数字を見る際には、「2025年に誰が推薦されたか」と「これから誰が選ばれるか」は分けて考える必要があります。
Entrepreneur Immigration(起業家移民)への関心は上昇
Skills Immigrationと比較すると規模は小さいものの、Entrepreneur Immigrationにも興味深い動きがあります。
2025年のEI Base StreamのRegistrationは191件で、2024年の112件から71%増加しました。そのうち106人がPool入りし、95人がITA(申請招待)を受けています。
BC州政府は、連邦政府の起業家向け移民制度の選択肢が減少していることも、BC PNP Entrepreneur Immigrationへの関心増加の理由の一つではないかと分析しています。2025年に推薦された起業家は19人でしたが、この19人だけで42人分の新規雇用を生み、約500万ドルをBC州へ投資しました。
2025年の結果から見える、これからのBC PNP
今回の統計で最も重要なのは、「何人推薦されたか」という数字そのものではありません。むしろ注目したいのは、「限られた推薦人数枠を、BC州が誰に使ったのか」という点です。
2025年の実績を見ると、BC PNPが重視している方向性はかなり明確です。
- 医療などのEssential Services
- 高給与・高スコアのHigh Economic Impact人材
- バンクーバー近郊以外のRegional Communities
- すでにBC州で働いているTemporary Residents
一方で、テクノロジー、保育、建設など、「優先職種であれば比較的チャンスがある」と考えられていた分野でも、推薦人数は大きく減少しました。
今後は単に「自分のNOCが優先職種に入っているか」を確認するだけではなく、
- どの雇用先で働くのか
- どの地域で働くのか
- どの程度の給与を得られるのか
- BC州にとってどのような経済貢献があるのか
まで含めて、永住権へのキャリアプランを考える必要があります。
2026年にはBC PNPの方向性もさらに整理され、Care、Build、Innovateなど、州の経済・社会政策に直結した選抜がより明確になってきています。2025年の統計は、その変化が突然始まったものではなく、すでに2025年の実際の推薦に表れていたことを示す非常に興味深い資料だと言えるでしょう。
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このニュースはブリティッシュ・コロンビア州政府の公式情報を元に白石ビザJPカナダが内容を整理し、わかりやすくまとめたものです。
出典:BC PNP Statistical Report and Year in Review 2025(英語)
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