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アメリカ大統領選のカナダ移民への影響

大激戦だったアメリカ大統領選。バイデン氏が過半数の票を取りましたが、トランプ氏はまだ票の無効を最高裁に訴えると言っており、今後の行方にまだまだ目が離せません。この大統領選の結果は、アメリカからカナダに移住を希望する人やカナダの移民にどのように影響するのでしょうか?

トランプ氏が勝利すると、カナダにスキルのある労働者がもっと流れてくるのではないかという意見もあります。選挙結果に関わらず、カナダはもはやアメリカよりも魅力的な国であるという意見もあります。

新移民就労者が国の全就労者数を占める割合、米国とカナダの比較

全就労者数新移民就労者数割合
米国160,000,000110,0000.07%
カナダ20,000,000240,0001.2%
* 数字は近年の平均値を参考にしたおよその数です。


アメリカの人口は3億3千万人で、そのうち1億6千万人が就労者です。そしてアメリカは過去10年間、毎年110万人の移民を受け入れています。そのうち10%がスキルのある労働者、70%がアメリカ人の家族(配偶者、養子など)、14%が難民です。

ということは、アメリカは人口の約0.3%の移民を毎年受け入れていることになりますが、この中でスキルのある労働者はアメリカの全就労者の0.07%にすぎません。

一方カナダは、人口が3,800万人です。最近発表になった移民計画によると、2021年には40万人の移民を受け入れる予定です。これは人口の1%です。また、カナダには約2000万人の就労者がいます。2021年に受け入れる40万人の移民のうちの60%がスキルのある労働者、25%がカナダ人の家族、15%が難民です。ということは、この新しく移民する就労者は、カナダの全就労者の1.2%を占めるということになります。

カナダの全就労者はアメリカと比較すると8分の1にすぎませんが、アメリカの2倍ものスキルのある就労者を移民として迎え入れようとしているのです。アメリカはスキルがあっても永住権を取得することが難しいということもあり、引き続き就労者にはカナダは魅力のある国です。実際過去5年間、カナダの方がアメリカより多くの就労者の移民を受け入れました。

アメリカ在住者のカナダ移住、近年の傾向と今後

カナダは近年、毎年約1万人のアメリカ在住者を移民として受け入れており、そのうち85%が、アメリカに在住していたアメリカ国籍以外の人です。門戸の狭いアメリカより、スキルのある人材を積極的に受け入れているカナダに、アメリカから人が流れてきているということです。そこへきて、このアメリカ大統領選挙でさらにアメリカ住民には不安が募り、カナダにさらに人が流れてくると思われます。

アメリカは、コロナウイルスの蔓延からの回復を目指すにあたり、移民政策はあまり重視していません。アメリカ人の失業率があまりにも高くなってしまっているため、外国人への就労ビザも、当分の間はあまり発給しない見込みです。

こういった中、アメリカからも、アメリカ以外の国からも、カナダにはスキルのある就労者がどんどん流れて来ています。40万人の移民受け入れのほか、学生ビザの留学生も、就労ビザの就労者も受け入れ、その先にカナダに移民できるようなルートがしっかりあります。カナダは、才能のある人にはとても魅力のある国なのです。

以上を考えると、アメリカ大統領選で結果がどのようになろうと、カナダ移民への影響はあまり無いと言えるでしょう。アメリカが突如移民政策を変更しない限り、引き続き、アメリカ在住のスキルのある外国人はカナダを目指し、カナダは引き続き、世界中から多くの才能を受け入れて行くことになると思われます。

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