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カナダの金融サービス協同組合デジャルダンが発表した最新の経済レポートによると、カナダの移民目標の引き上げは、特に西部の州において、州経済にプラスの影響を与える可能性が高いことが示されています。
雇用主が純新規で採用する雇用者は、2015年以降、常に移民がカナダ人労働者よりその割合を上回っています。また、移民は雇用増加割合の70%を占めています。実際、2019年には、ほぼすべての州で、新規移民の雇用率がカナダ人労働者を上回りました。コロナパンデミックの間も、新移民の雇用が急増し、2022年には失業率の差がカナダ人労働者(5.3%)、新移民(5%)にまで縮まりました。
今後1年間に予想される景気減速と最終的な回復期の両方において、カナダ各地に住む移民の経済的な成果は多岐に渡る可能性があるようです。カナダ銀行は、2022年を通して見られた国内GDP成長率3.6%に対し、2023年はわずか1%と予想しています。
どの地方が移民の恩恵を受けているのか
デジャルダンのレポートによると、現在の移民の傾向がこのまま続く場合、国の移民受け入れ目標の引き上げによって移民関連の経済的利益が最も大きくなるのは、ブリティッシュ・コロンビア州、サスカチュワン州、マニトバ州、プリンスエドワードアイランド州(PEI)であることがわかりました。PEIは、カナダの州の中で、現在、人口1人当たりの移民受け入れ数が最も多くなっています。
アルバータ州、マニトバ州、サスカチュワン州がより多くの移民を受け入れることができれば、これらの州のGDPを0.3~0.6%ポイント程度、大きく押し上げることができます。これらの州は、強い経済状況と生活費の安さによって、今後数年間で、より多くの人が移民を目指すと予想されます。
雇用が多く、就業率が高いというのは、移民を引き付け、定着させるための主要な要因ですが、雇用率の向上はそれだけで州のGDPに大きな影響を与えるわけではありません。移民が州経済を強化するのは、新移民が長期的にコミュニティに定着し、日々の消費に参加することで地域経済に貢献する場合です。移民の受け入れが既存人口に占める割合が十分に大きく、労働市場に溶け込める場合、移民による潜在的な経済貢献はより大きくなります。
移民受け入れは政府の政策によるもの
経済学者は、最近の移民の労働市場の好調を、連邦政府の政策によるものと評価しています。パンデミックの間、政府は外国人労働者や留学生をより多く受け入れることで、カナダの永住権保持者の数を増やしました。つまり、すでにカナダに住み、カナダで職歴のある人を優先した移民政策をとったため、新規永住者の多くが即戦力として経済に貢献することができたのです。
また、人口が多い州は、より経済的な勢いがあり、労働市場が引き締まった状態で2020年を迎えました。これはパンデミック時に労働力不足が多かったことを意味し、多くの企業が最近の新規参入者を採用するように促したようです。
デジャルダンのレポートは、新移民受け入れはカナダ経済にとって有用である可能性はあるものの、これだけでは、カナダが大きな経済的利益を得るには不十分であると結論付けています。カナダが引き続き、需要のある知識やスキルを持つ移民の受け入れを重視するよう提言しています。
カナダへの永住権申請カテゴリーは、各州の細かい物も含めると100以上あります。その多くは、各州ノミネーションプログラム(PNP)です。PNPでは、各州政府が、地域経済に貢献するスキルを持つ候補者を選ぶことができます。これらのプログラムでは、技術者や医療従事者など、地域の労働力不足に対応できる候補者に的を絞って受け入れることも多いようです。
アトランティック地方プログラムやルーラル地域パイロットプログラムなど、カナダのより広い地域を対象とした様々な移民プログラムも用意されています。これらのプログラムでは、候補者は雇用主から定住サービスやヘルスケアへのアクセスなど、大きなサポートを受けることができます。
これから永住権を目指す人はどうするべきか
これから永住権を目指す人は「カナダ政府が必要とする人材になる」、これがやはり需要なポイントです。カナダの連邦政府が欲しいのはどんな人か、各州政府が欲しいのはどんな人か…これは経済状況などにより常に変わる可能性があります。数年前の情報は古いかもしれません。移民の専門家に常に相談をしながら、永住権取得につなげていきましょう。
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