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今年秋発表のNOC2021で導入予定のスキルレベル分け、内部情報


こちらの記事は動画でも解説しています

カナダ政府は、今年の秋に発表予定のNOC (National Occupational Classification) 2021年バージョンに、「TEERシステム」と呼ばれる新しいシステムを導入する計画があることを、かねてより発表していました。この新システム導入に伴うNOCの見直しによって、従来のスキルレベルによるカテゴリーが変更となるため、エクスプレスエントリー登録資格の対象となる職種にも影響があるものと注目されていました。

関連ニュース:<予告>2022年に政府の職種リスト「NOC」が大きく変わる (2021/12/30)

このたび弊社は、2022年2月付で移民大臣へ宛てられた政府内部資料を入手、ここに、今後発表が予定されているNOC2021に関する情報が含まれていました。

NOC2021で移民プログラム何が変わるのか?
現在政府が使用しているNOCは、2016年バージョンのNOC2016です。今年の11月に2021年バージョンであるNOC2021が導入されると同時に、TEERと呼ばれる新システムに移行されます。TEERシステムでは職種のカテゴライズが変更されます。

そのため、カナダ移民局管轄のプログラムにも影響があります。現行のNOC2016ではロースキル/セミスキルワーカーとしてカテゴリー分けされエクスプレスエントリーでの永住権申請ができなかった職種の中で、新しいNOC2021ではスキルドワーカーのカテゴリーに入り永住権申請が可能となる職種が16の職種あるようです。それとは逆に、現在はスキルドワーカーと分類されていながら、NOC2021ではセミスキルレベルに分類され永住権申請対象から外れる職種が3つあります。

内部資料の内容

概要

  • この内部資料の目的は、Federal Skilled Tradesプログラムに関してNational Occupational Classification – 2021 (NOC 2021) の施行の承認を依頼するものです。
     
  • 一時滞在、及び永住権プログラムにおいて、カナダ移民局(IRCC)は現在、NOC 2016バージョンを使用しています。2022年11月には、Immigration and Refugee Protection Regulations (移民難民法)に基づき、NOC 2021を採用します。
      
  • NOC 2021の実施にあたり、大多数のプログラムは決まっていますが、Federal Skilled Tradesプログラムについては以下該当部分について、採決が必要です。
     
    – 2022年11月までに該当部門のITシステムを更新し、各州やテリトリーが新システムに移行するため、2022年2月25日までに移民大臣の承認が必要な場合。
     
    – 2022年2月25日までに、この内部資料にあるFederal Skilled TradesプログラムについてのNOC 2021の施行への概略アプローチについて、移民大臣からの『同意の明示』を求めます。

バックグラウンド

  • IRCC(カナダ移民局)は現在、一時滞在申請と永住権申請において、National Occupational Classification – 2016 (NOC 2016) を使用しています。
  • NOCシステムは、Employment and Social Development Canada (ESDC = カナダ労働省)とStatics Canada(カナダ統計局)によって管理されており、カナダの労働市場についての総合的な分析により10年毎に見直されます。ESDCによって2022年11月に施行が計画されている最新版(NOC 2021)では、新しい用語が使用され、スキルレベルの構成も変更され、IRCCのプログラムの変更も必須となります。
  • 該当部門のITシステム、Immigration and Refugee Protection Regulations(移民難民法)、Ministerial Instruction(大臣の指示)、二国間協定、プログラムデリバリーインストラクション、コミュニケーション目的の資料、及びその他の管理上の変更など、様々なアップデートが必要で、施行までに数ヶ月を要します。過去の決定を通して、大多数は確認済みですが、Federal Skilled Tradesプログラムについてのアプローチの採決が必要となっています。

現在の状況

  • Federal Skilled Tradesプログラムは、特定の産業や分野の要求に応える形で2013年に開始されました。カナダの熟練工(skilled tradesperson)の労働不足を補うため、他の移民プログラムではPR申請が難しかった熟練工に従事する人を永住者にさせようというパスウェイです。このプログラムはExpress Entryを通じて、年間約1000人に招待が送られました。
     
  • 移民法によると、Skilled Tradeの職歴は、NOC 2016バージョンでは次のグループに該当します。
    – NOC Major Group 72 (Industrial, Electrical and Construction Trades)
    – NOC Major Group 73 (Maintenance and Equipment Operation Trades)
    – NOC Major Group 82 (Supervisors and Technical Occupaions in Natural Resources, Agriculture and Related Production)
    – NOC Major Group 92 (Processing, Manufacturing and Utilities Supervisors and Central Control Operators)
    – NOC Minor Groups 632 & 633 (Chefs and Cooks, Bakers and Buthers)

NOC 2021 導入による移民プログラムへの影響

エクスプレスエントリー資格条件の変更

  • 現在、エクスプレスエントリーの登録資格ができるのは、スキルレベルB以上です。NOC 2021の施行により、TEER 3以上の職種が条件となります。
  • この変更により、エクスプレスエントリーの資格ができる職種として、今までスキルレベルCに分類されていた以下の16の仕事が追加となります。

    *今までロースキルだったのがスキルドワーカーになって、申請したい日本人が増えると予想される職種)

    Payroll administrators *
    (給与管理担当者)
    Dental assistants and dental laboratory assistants *
    (歯科助手、歯科技工士助手:資格不要)
    Nurse aids, orderlies and patient service associates *
    (看護助手:資格不要)
    Pharmacy technical assistants and pharmacy assistants *
    (薬剤師助手:資格不要)
    – Elementary and secondary school teacher assistants
    – Sheriffs and bailiffs
    – Correctional service officers
    – By-law enforcement and other regulatory officers
    Estheticians, electrologists and related occupations *
    (エステティシャン、ネイリストなど美容系職種)
    – Residential and commercial installers and services
    – Pest controllers and fumigators
    – Other repairers and servicers
    – Transport truck drivers
    – Bus drivers, subway operators and other transit operators
    – Heavy equipment operators
    – Aircraft assemblers and aircraft assembly inspectors
  • 下記の3つの職種については、逆に、エクスプレスエントリーの登録資格が無くなります。
    – Other performers
    – Program leaders and instructors in recreation, sport and fitness
    – Tailors, dressmakers, furriers and milliners

政府からの正式発表をお待ちください

ビザJPカナダでは、政府から正式に導入の発表があってから、あらためて「正式なニュース」をウエブサイトに掲載する予定です。また、それまでの間はまだ「予告」であって決定ではありませんので、皆様へのご案内はこのページをご覧いただくにとどめたいと思います。

これ以上の情報については、政府の正式発表を待ちましょう。

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