カナダの市民権法の強化
市民権向上(Citizenship Improvements)の設計図
2014年2月6日、カナダの移民局大臣クリス・アレクサンダーは、カナダの市民権強化法(Bill C-24)の一環として、
Citizenship Improvementsを発表しました。
全体として、ビルC-24は、カナダ市民権の品位を高める一方で、
申請書の未処理を減らして審査期間を短縮させるという政府の約束を強化するものです。
この、Citizenship Improvementsの設計図は、
政府が市民権の申請プロセスを改革することを強調するものとして作られました。
市民権の向上の為の設計図は、今まで3段階あった決断プロセスを1つにすることにより、
カナダの市民権プログラムの向上と合理化を狙うものです。
この改定により、2015年から2016年までには、
市民権申請書の審査期間を平均1年以下に短縮でき、また、
現在の処理の遅れは80%以上取り戻せると見込まれています。
市民権の申請料は、現在80%のコストを税金納入者が負担していますが、
今後は実際の審査のコストにより近いものとなり、納税者の負担が軽減されます。
最後に、未完成の市民権申請書にかける審査時間が減る事により、
政府は今後、現在未処理である申請書を減らす事に集中できるようになります。
カナダの市民権強化法(Bill C-24)は、
- 新カナダ国民がカナダ経済とコミュニティーに適応するのを助け、 彼らがカナダにより強い愛着を持てる事を確かにしよう
- カナダの市民権の価値を守り、詐欺から守り、また、お役所仕事を減らして審査プロセスを向上し、納税者の節約に繋げよう
とするものです。
カナダの市民権強化
市民権取り消しの合理化
この図は、カナダの現在の市民権取り消しのシステムと、
提案されているカナダの市民権強化法(Bill C-24)の下、取り消しのプロセスを合理化した場合とを比べています。
市民権は以下のような場合、取り消しとなる事があります。
- 虚偽の表明をして市民権を得たり、維持したり、再取得したりした場合
- 詐欺や、市民権や永住権を取得資格に影響があるような事実を知っていて事実を隠していた場合
そして、以下のような場合、二重国籍を取り消しされることがあります。
- もしその人物がカナダと武力紛争にある敵に当たる軍隊の一員として従事した場合
- もしその人物が、国家に対する背信、反逆、スパイ行動の罪を犯したり、終身刑を言い渡されている
- テロ行動の有罪判決を受けたり、それと同等の外国テロの有罪判決を受けたり、5年以上の刑務所行きの判決を受けた場合
注釈:これらの理由での取り消しは、二重国籍を持つ人にのみ当てはまり、
1961年の無国籍の削減に関する条約の下のカナダの義務に従ったものとなります。
古い3年のプロセスでは、1)移民局大臣が市民権の取り消しをする意図を表明、2)連邦裁判所で、
市民権が不正に得られてないか、また、申請者が連邦裁判所に出廷しないなどを確認、
3)総督が市民権を取り消すかどうかを決めていました。
低コストで、より効果的な新しいプロセスの下では、圧倒的多数のケース
(居住詐欺や、市民権に不適格と判断されるような犯罪歴を隠したり、身分詐称などに関連するもの)は、
移民局大臣によって決定され、戦争犯罪や、非人道的犯罪、また、
安全保障や人権や国際条約に反するものや組織犯罪に関するケースなどの稀なケースであれば、
連邦裁判所によって判断される、となっています。
豆知識
• カナダ市民権の強化法の下の法律の改革は、1977年以来、市民権法に加えられる初めての包括的な
改定となります。
• 2014年1月に、カナダは1万6千人以上の新国民を迎えました。これは、2013年1月の時に比べ、
2倍以上となっています。
• 市民権を取る要件に当てはまる永住権を持つ85%以上の永住権保持者はカナダ国籍を取っています。
