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2025年の連邦選挙を前に、マーク・カーニー新首相が内閣改造を行い、新たな移民大臣としてケベック州アウトルモン選出の国会議員、レイチェル・ベンダヤン氏が就任しました。彼女は前任のマーク・ミラー氏の後を継ぎ、カナダ移民局のトップとして移民政策を担います。ベンダヤン大臣の就任は、カナダ移民政策にどのような影響をもたらすのでしょうか?この記事では、彼女の経歴や政策の見通しを分かりやすく解説します。
レイチェル・ベンダヤン新移民大臣とは?
モロッコ系ユダヤ人の家庭に生まれ、ケベック州で育ち、マギル大学で国際開発学の学士号と法学博士号を取得。政界入りする前は大手国際法律事務所ノートン・ローズ・フルブライトで約10年間、国際貿易法の専門弁護士として活躍し、モントリオール大学で法律を教えた経験もあります。
ベンダヤン大臣は44歳。ケベック州アウトルモン選出の国会議員で、直前の役職は公用語大臣でした。過去には以下の役職を歴任しています。
- 副首相兼財務大臣の政務官
- 観光大臣兼財務大臣補佐官
- 中小企業・輸出促進・国際貿易大臣の政務官
移民大臣が交代する理由とその意味
カナダでは内閣改造が頻繁に行われます。閣僚が異なる省庁に再任されたり完全に交代したりします。理由としては、優秀な閣僚の評価や政策方向性の調整があります。
マーク・カーニー首相の移民政策とは?
カナダの各大臣には首相から「委任状(Mandate Letter)」が渡され、それぞれの目標が示されます。現時点でカーニー首相から明確な移民政策は発表されていませんが、過去の発言から以下の方針が予想されます。
- 移民数を「パンデミック以前の持続可能な水準」に制限
- カナダ国内にすでに滞在している外国人の永住権取得を優先
- 外国人労働者の受け入れ数を抑制
これらの政策方針は、新移民大臣の就任によりどのように具体化されるのか注目されます。
前任者マーク・ミラー氏が進めた移民政策の影響
マーク・ミラー氏の在任期間中、カナダの移民制度には大きな変更が加えられました。特に国内の住宅事情や物価上昇を考慮し、新規移民の受け入れを抑制する政策が導入されました。
ミラー前大臣が実施した主な政策は以下の通りです。
- 学生ビザ・就労ビザの発給数を制限
- 永住権発給数をパンデミック前の水準まで引き下げ
- 失業率6%以上の大都市圏でのLMIA(労働市場影響評価)新規申請を一時停止
- 「In Canada Focus(カナダ国内重視)」への移民政策転換
- 州ごとの留学生受け入れ数を制限
- 就労ビザプログラムの縮小
- エクスプレス・エントリーのターゲット職種変更
- ポストグラデュエーションビザに言語や専攻分野の要件を導入
- 配偶者就労ビザの発給制限
- エクスプレス・エントリーのArranged Employment(雇用確保)ポイントの廃止
なぜ移民政策は重要なのか?
移民はカナダ社会の労働市場や人口構成の安定にとても重要な要素です。ミラー前大臣も、移民の貢献が2023年の景気後退回避の要因だったと述べています。移民政策が重要な証拠として、過去の移民大臣が政府内で重要な役職を担っている例が挙げられます。
- ショーン・フレーザー元移民大臣は現在、住宅インフラ・コミュニティ大臣
- マーク・メンディチーノ元移民大臣は公安大臣を経て、現在は首相の首席補佐官
カナダ移民局は広範な公共政策を制定できる裁量権を持ち、その一例が、コロナ禍では「留学生の就労時間制限の一時撤廃」など柔軟な対応を取りました。これにより、学生は学期中もキャンパス外で無制限に働くことが許可されましたが、現在は週24時間の制限が再導入されています。

まとめ
レイチェル・ベンダヤン新移民大臣の就任は、今後のカナダ移民政策の行方を左右する重要な転機です。今後、レイチェル・ベンダヤン新移民大臣のもとで、カナダの移民政策がどのように変化していくのか注目していく必要があります。
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