スターバックスが2020年に向けて使い捨てストローを廃止するというニュースが話題になっていますね。さらには、他都市に先駆けてこの秋からストロー廃止が実施される2つの都市としてシアトル、バンクーバーの名前があがりました。
シアトルはスタバ本社のある街、けれどもなぜバンクーバー?わかる気がします。記憶を頼りに数えてみたら、ダウンタウンだけで約30店舗ものスタバがあり、どの店舗もそれなりに賑わっています。そこで消費されるストローの数も計り知れません。でも、それだけが理由ではなさそうです。
バンクーバーは使い捨てプラスティック製品廃止を宣言したカナダで最初の都市
今年の5月、バンクーバー市は使い捨てプラスティック製品(single-use plastic items)を来年2019年の秋に廃止することを決定しました。施行されると、飲食店ではストローだけでなく、フォームのプラスティックカップ、テイクアウトに利用される容器、さらにはスーパーマーケットのレジ袋も廃止されることになるそうです。スーパーのレジ袋も、最近無料でくれるお店はほとんどなくなりましたね。
やっぱりバンクーバーは、他の都市に比べてプラスティック製品排除の動きが早いようです。
でも、よく取り上げられる「使い捨てストローと海洋汚染」の関係ってわかりにくいと思いませんか?なぜ海を守るために使い捨てストローを止めようという動きがあるのでしょう?
プラスティックストローと海の関係
この問題を取り上げたCBCニュース記事 ‘We need to rethink the entire plastics industry’: Why banning plastic straws isn’t enough’ によると、1950年代より人類は83億トンものプラスティックを製造し、そのうち63億トンはすでに廃棄されているそうです。ペットボトル1本が自然界に分解されるには450年かかるとか。
廃棄プラスティックがリサイクル、償却に回されたらまだ良いですが、埋め立てられたもの、そして海洋投棄されたプラスティックが今、この地球の大きな問題となっていて、海面がゴミで覆われたショッキングな写真がSNSなどで見受けられるようになってきました。
そんな矢先、ネットではあるビデオが大きな注目を集めました。鼻にストローを詰まらせてしまった海がめの映像です。このビデオが拡散されたことで、プラスティックストローが海洋汚染の象徴に加わったと思われています。
実際、昨年カナダのビーチクリーンアップイベントで収集されたストローの数は、17,654本もあったそうです。世界のビーチクリーンアップイベントを総計すると、昨年だけで409,087本だそうです。ストローだけで、ですよ!習慣で使っている使い捨てストローですが、利用するのはたったの何分かのことです。でもその後のことを考える機会がなかったと思います。そのストローが本当に必要かどうか考えなくてはならない時が来たというわけです。
#DroptheStraw そのストロー、なくてもいいよね?という活動
バンクーバーで教員をしているMelissa Donichさんは、プラスティック問題を深刻にとらえ、実際に何ができるかを考えて活動した一人です。彼女は数ある使い捨てプラスティック製品の中からストローに目をつけました。ストローは小さすぎてリサイクルに回されにくいこと、大量に消費されていること、そして必要不可欠ではないことが理由です。オンライン署名活動の他に、自らの足で飲食店を回り、ストロー利用の廃止を訴えました。
Melissaさんの話を聴いたレストランオーナーの多くが賛同し、店でストローの提供を止める決断をしました。その活動は、後にバンクーバー市長などの賛同も獲得、来年度の使い捨てプラスティック製品廃止への大きな後押しになったのです。
* #Drop the Straw で検索すると、彼女の活動の軌跡を知ることができます。
使い捨てストローがなくなるとどうなる?
スターバックスでは、冷たいドリンクにも飲み口のついたフタを提供したり、またどうしても必要な人などには自然界で分解可能なプラスティック製ではないストローを提供する用意があるそうです。フラペチーノにはストローがついて来るみたいですよ。
今のところ、頭を抱えているのはバブルティー屋さんですね。アジア系の人が多いバンクーバーでは人気の高い商品です。日本ではタピオカドリンクって言うのでしたっけ?あれをストローなしで飲むっていうのは無理があるというか、あのストローを通してタピオカがぽこん、ぽこんと入ってくるから美味しいような気も確かにします。さて、どうなるのでしょう?解決アイディアを閃いた人はビジネスチャンスかも?
いずれにせよ、バンクーバーが牽引する使い捨てプラスティック製品廃止の動き、海に囲まれた街に住む者として喜ばしいことだと思いたいです。また皆さんと一緒に考えていきましょう!
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