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2021年4月、トルドー首相は、今後5年以内にデイケア(保育施設)の料金を、カナダ全土で、平均一日あたり10ドル程度にするという目標を掲げました。
これを遂行するには、政府は今後5年間日本円にして約2兆7千億円相当もの投資をし、その後も毎年1兆円近くもの予算が必要になります。連邦政府はすでに8州と合意に達しました。保育施設がもっと利用しやすくなり、かつ、保育士にも適正な給与を支払うことができるかがポイントです。
この動きは、カナダ全土の経済成長や社会繁栄への動きに応えるものです。トルドー首相は「このチャイルドケアの政策により、全てのカナダ人家庭がもっと生活しやすくなり、雇用機会を増やし、中流階級層を増やし、さらに女性の雇用が増える・・・総じてカナダ全体の強い経済力が確立されることに繋がります」と話しています。
外国人や新移民への影響
この政策は、子供を持つカナダ人家庭には大きな利点ですが、移民にとってはもっと大きな利点であるといえます。そしてもしこれが外国人労働者や留学生も対象になれば、永住権を目指してカナダに来る外国人にとっては大変なメリットとなります。
これからカナダ移住を目指す人へのメリット
永住権を目指してカナダに来る外国人の多くは若い成人で、未就学児を持つ人や、滞在中に子供ができる方もいます。そして、カナダ人とは違い、頼れる親や親せきが近くにいません。さらに、カナダに来たばかりですからやはり収入は低めです。こういった人たちにとって、カナダの高額な保育料は、大きな弊害となっています。
現在の保育施設の料金は、たとえばトロントやバンクーバー近郊では、1カ月の平均保育料が1600ドル、日本円にすると約15万円相当です。子供がふたりいると30万円の保育料がかかります。永住権を目指してカナダに来ている就学児がいる家庭では、結局は両親のどちらか一人(多くの場合は母親)が家にいて子供の面倒を見るということになります。配偶者としてせっかく働けるビザを移民局からもらえても、結局働くことはできない。働くことができないということはつまり、カナダでの就労経験を積むことができませんので、永住権を目指すには、働いているほうの親一人の力でなんとかしなければなりません。二人ともが働ける夫婦と比較すると、永住権を取るチャンスが半減してしまうわけです。
また、カナダに来たばかりで知り合いが少ない状況の中、家で子育てのみをしていると、孤独感を感じ、精神衛生上もあまり良くないというデータもあります。
$10チャイルドケア政策は、永住権を目指す外国人や永住権が取れたばかりの人々がもっと仕事がしやすくなり、キャリアを積んで、カナダでしっかり働いていけるようになることが期待できます。カナダの労働市場では、今後10年間のうちに900万人のベイビーブーマー達がリタイヤする年齢となり、それにとって代わる労働力を確保する必要があります。そこに移民がしっかり貢献できるというわけです。
さらに、新移民の収入が上がることにより、新移民の子供達がより良い教育を受けられることになり、それが次世代の経済貢献にもつながるというわけです。
これから家族でカナダ永住を目指す方々へ
現時点では、家族でカナダ永住を目指す方には、保育料の問題から、子供が就学年齢になってからカナダに移動するというプランをおすすめしています。これが、$10チャイルドケアが開始になり外国人にも適用となれば、小さなお子様をお持ちのご家庭でも早くから計画を実行に移せるようになりますね。カナダでは就学年齢が5歳(州によって多少違います)ですので、一人っ子で5年早くなります。お子様が複数いる場合はさらにもっと早くに計画できますね。
ビザJPカナダでは、移民局のみではなく、こういった他分野を含めたカナダ政府全体の政策や動きをふまえて、お客様にご提案やアドバイスをしています。今後もこの$10チャイルドケアの各州での実施時期など、注視していきたいと思います。
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