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カナダへの留学を目指してご自身で学生ビザを申請したものの、却下されてしまったというご相談が増えています。学生ビザの申請が却下されるリスクを減らすには、審査基準を満たしていることを明確に示し、審査官が理解しやすく、かつ、補足書類をよくまとめて提出することが重要です。
ここでは、学生ビザが却下される主な理由トップ5と、それを回避するためのポイントについて解説します。
最終的に、学生ビザを発給するかどうかを判断するのは移民審査官です。入国審査官が抱くであろう懸念を予測し、提出する証明はそういった懸念を抱かせないものでなければなりません。
最終的に、学生ビザを発給するかどうかを判断するのは移民審査官です。入国審査官が抱くであろう懸念を予測し、提出する証明はそういった懸念を抱かせないものでなければなりません。
カナダ学生ビザ却下の主な理由トップ5
学生ビザが却下される理由は多岐にわたりますが、特に注意すべき典型的な要因がいくつかあります。ここでは、代表的な5つの理由を取り上げます。
①資金証明の不足または不備
必要な資金がない、または必要な資金はあるが、それを証明する十分な書類を提出していない場合、申請は却下されます。
カナダ移民局は、学生ビザ申請者に対し、以下の資金を証明するよう求めています。
- 渡航費
- 授業料
- 滞在中の資金
例えば、2024年にケベック州以外へ留学する独身申請者が必要とする資金は、渡航費と授業料に加えて22,895カナダドルです。家族の人数によって、必要な資金は変わります。これらの必要資金は毎年引き上げられることになっています。
申請時には、基準額以上の資金があることを示すために、「銀行残高証明書」や「資金の出所を示す書類」を正確に提出することが不可欠です。
②母国とのつながりがない
留学後にカナダを離れて母国に戻る意思や根拠が不十分だと、審査官はビザを却下する可能性があります。
カナダに限らず、学生ビザ申請者は “滞在期間終了後に帰国する” ことを納得させる必要があります。そのため、以下のポイントが重要になります。
- 経済的な結びつき:航空券購入費用や銀行資産の明細書など。
- 家族や職業などのつながり:母国に戻る能力があること。
- 法的能力:有効なパスポートや旅券、ビザの提出。
母国との強い結びつきを示し、審査官が抱く懸念を払拭することがポイントです。
③ Letter of Explanation(留学目的説明書)が弱い、またはない
留学の目的や動機が不明確な場合、審査官は申請を却下することがあります。
Letter of Explanation(説明書)は任意ですが、提出することで審査官に留学の理由を明確に伝えられます。なぜなら、申請者の言葉による説明は、その人がカナダで勉強する動機や願望を移民審査官がよりよく理解するのに役立つからです。この手紙には以下の内容を含めると良いでしょう。
- 申請者の個人情報、学歴、職業経験。
- 学校・プログラムを選んだ理由。
- 将来のキャリアプランや目標や志望。
説明の手紙の書き方に万能なフォーマットはありませんが、説得力のあるLetter of Explanationは、学生ビザ申請成功のカギとなります。
④申請書類の不備
書類に不備がある場合、移民局の審査官は審査を行わず、不備があった場合、移民局は申請書を返却します。
以下のケースで却下される可能性があります。
- 必要書類が不足していて対応しない。
- 申請手数料のを払っていない。
また、移民局から追加書類を求められた場合、期限内に対応しないと却下されます。書類の準備は正確かつ丁寧に行うことが重要です。
⑤学校が入学許可書(Letter of Acceptance=LOA)を有効化していない
2023年12月1日より、留学生が学生ビザの申請を進めるためには、学校/教育機関(DLI)が入学許可書(LOA)を有効化(Validate)しなければならなくなりました。
この手続きは、留学生がビザ申請書類を提出した後に行われます。DLIは10日以内に移民局のオンラインポータルで入学許可書を有効化する必要があります。
- 期限:LOAを受け取った申請者ごとに、学校のオンラインポータルに表示される。
- 有効化されない場合:期限内にLOAがValidateされない場合、申請は不備とみなされ、手数料とともに返却されます。
申請前に、学校側の手続きが確実に行われているか確認することが重要です。

度重なる学生ビザ申請の制度変更
「学生ビザの申請は簡単だから自分で申請できる!」と思っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。ここ数年で学生ビザの申請条件が頻繁に変更されたことにより、「自分で申請したが、古い情報で準備していた」「必要書類を見落としていた」などのトラブルも多く、最新のルールに基づいた申請ができていないということが多発しています。
2024年1月22日には、マーク・ミラー元移民大臣より、留学生受け入れ上限数を導入することが発表されました。2024年の学生ビザ発行数は約36万件で、これは2023年度から比較すると、35%の減少です。また各州やテリトリーにおける受け入れ人数を割り当てたことにより、2024年1月22日以降の学生ビザ申請者は、各州・準州からProvincial Attestation Letter(PAL)を提出する必要も出てきました。
そのため、学校が変わる時期やご自身の出入国の予定、審査にかかる時間など、これらをよく考慮していつどこから申請するのか、適切なタイミングを知ることが、スムーズな留学生活を送る上でとても重要になってきています。
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2024年11月8日以降、カナダの学生ビザに関する重要な手続きが変更され、これまで学校を変更する際に、簡単にオンラインでDLI(Designated Learning Institution)番号を変更できた手続きが、新しい学生ビザの申請を必要とするルールへと改定されました。詳しくはコチラ:【学生ビザ新ルール】2024年11月8日からカナダで学校転校時の学生ビザ手続きが変更
統計から見る学生ビザ申請の難しさ
上記の移民政策の変化を受けて、カナダの学生ビザの承認率は2019年から2023年には50〜60%台に収まっていたところ、2024年1月には49%までに減少しました。以下データには日本だけでなく、他国からの学生ビザ申請の承認率も含んでいます。
2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年(as of january 31) | |
---|---|---|---|---|---|---|
Global | 60% | 51% | 60% | 56% | 60% | 49% |
引用:カナダ移民局公式サイト「 International Students Data Dashboard : SP Africa by Language and Province – February 28, 2024 」
また移民局の統計には、学生ビザの承認率に関する日本のデータはありませんが、日本人のカナダ学生ビザ保持者数のデータは公開されています(2015年から2025年3月まで)。
統計によると、2022年には1万件以上の日本人がカナダの学生ビザを保持していましたが、その数は年々下がってきています。
年度 | 保持者数 |
---|---|
2022年 | 10,940 |
2023年 | 7,830 |
2024年 | 6,160 |
2025年3月時点 | 1,185 |
各年の1〜3月までを比較すると、2025年の日本人学生ビザ保持者数の合計(1,185名)は、2022年(3,325名)から約35%も減少していることが分かります。
1月 | 2月 | 3月 | 合計 | |
---|---|---|---|---|
2022年 | 1,250 | 990 | 1,100 | 3,325 |
2023年 | 610 | 585 | 575 | 1,765 |
2024年 | 565 | 460 | 515 | 1,535 |
2025年 | 505 | 330 | 365 | 1,185 |
引用:カナダ移民局公式サイト「Temporary Residents: Study Permits Holders – Monthly IRCC Updates」
移民政策の変化や円安の影響を受け、カナダ留学を視野に入れる方が減ったことなども環境要因として考えられます。しかし数年前と比較すると、留学生の受け入れ人数制限や制度変更の面からも、カナダ学生ビザ取得のハードルは上がっており、今まで以上に入念な準備が必要となってきています。
実際にあった学生ビザ却下ケース
学生ビザの申請は、一度却下されてしまうと再申請ではより厳しい審査に直面し、時間や費用の負担が大きくなります。実際に「資金証明が不十分だった」「書類に不備があった」などの理由で却下され、進学や渡航計画に大きな影響を受けた方が少なくありません。
しかし、適切なサポートを受けながら正しい準備を行うことで、再申請で承認を得られたケースも多くあります。ここでは、実際にビザJPカナダがお手伝いし、学生ビザ承認へとつなげた具体的な事例をご紹介します。
ケース1:未成年の高校生のお客様の学生ビザ延長申請
必要な残高証明額を把握されておらず、十分は残高証明を提出できなかったため却下となってしまいました。そのため一旦日本へ帰国し、日本から再申請。ビザJPカナダの代理申請を通して、無事に学生ビザが承認され、高校に復帰ができました。
ケース2:マスター(大学院)プログラムのための学生ビザを自己申請したお客様
配偶者就労ビザでカナダに滞在中に、マスター(大学院)プログラムへのご就学のために学生ビザを自己申請されたところ、書類不備で却下となってしまいました。ビザJPカナダの代理申請を通して、無事に学生ビザが承認されました。
ケース3:国籍&永住権をお持ちでない日本国外(ガーナ)から学生ビザを申請したお客様
ガーナのエージェントを使って申請したところ、1)就学後にカナダを出国するとは思えない、2)資金証明が十分でない、という理由で却下になってしまいました。ビザJPカナダの代理申請を通して、無事に学生ビザが承認されました。
過去のビザJPカナダの対応事例はこちら
娘のバレエ留学の学生ビザ自力申請が2度却下され、ビザJPカナダに依頼したT様
ビザの個人申請失敗後にビザJPカナダとカナダ渡航を成功させたA様
ビザJPカナダでできること
ビザJPカナダでは、これまで多くの学生ビザ申請を成功に導いてきた経験豊富な移民コンサルタントが、以下のサポートを提供しています。
- 個別の状況に合わせた最適な申請戦略の提案
- 不備のない書類作成と効果的なLetter of Explanationの作成支援
- 申請プロセス全体の代理申請サービス
お客様のなかには、ご自分での学生ビザ申請却下後に弊社にお問い合わせいただく方もいらっしゃいます。却下後の再申請は、最初の申請よりも審査が厳しくなる傾向にあり、その後のビザ申請の度に却下履歴を申告しなければいけません。せっかくの学生ビザ申請が却下とならないようにも、最初からプロのサポートを受けて申請することを強くおすすめします。 そして、もし学生ビザが却下されてしまった場合は、弊社で再申請の代理申請も承っております。却下後の再申請は慎重に準備を進める必要がありますので、まずは弊社までご相談ください。
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