目次
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カナダは教育水準が高く、多くの留学生が質の高い教育を求めて訪れます。特に大学院教育は、専門性の高い知識とスキルを身に付ける絶好の機会を提供しており、将来のキャリア形成や永住権取得にもとても役立ちます。カナダ人だけでなく世界の優秀な留学生と国際的なネットワークを広げることができます。
2024年2月15日、カナダ移民局が新政策を施行
カナダ移民局(IRCC)は、カナダの留学生制度に導入される多くの変更の一つとして、ポストグラデュエートワークパーミット(PGWP)の新政策を施行しました。この政策により、カナダの指定教育機関(DLI)の大学院を卒業した留学生は、一律で3年間のPGWPを取得できるようになりました。この変更は、2年未満の修士課程プログラムで学ぶ学生にも適用されます。
*2月15日以前は、PGWPの有効期間は、2年以下のプログラムではプログラムの期間の長さしかビザが出ませんでした。
永住権を取得しやすくなる理由
ポストグラデュエートワークパーミット(PGWP)の価値は、留学生がプログラムを修了したあとに、カナダで就労できる点にあります。このカナダでの就労経験は、永住権を目指す人にとって非常に貴重です。なぜなら、カナダの多くの永住権申請カテゴリーは、カナダ国内での就労経験を必要とするからです。
例えば、カナダの永住権申請の管理システム「エクスプレスエントリー」では、申請者の総合ランキング・システム(CRS)スコアを評価し、カナダでの職務経験に対して、最低80ポイント*の追加CRSポイントが加算されます。(*このポイントは、配偶者やコモンローパートナーと一緒に申請する場合など、他の状況にある場合は異なります。)
したがって、2024年2月のPGWP政策の拡大は、大学院で2年未満のプログラムを修了した留学生にも有益です。この変更により、彼らはカナダでの職務経験をより長く積むことが可能になり、その経験を永住権申請に役立てることができます。これは、留学生がカナダでのキャリアを築き、将来的に永住権を得るための有利な改正と言えるでしょう。
永住権申請までの手順(例)
- 公立の大学院で学位を取得する。
- 卒業後に3年のポストグラデュエーションビザで、就労する。
- 就労中に申請条件を満たしCRSポイントを上げる。
- CRSポイントが高くITAを受け取ることができたら、永住権を申請する。

永住権を有利にするその他の方法
大学院留学生とって永住権取得が有利になる方法は、そのほかにもいくつもあります。
エクスプレスエントリーのCRSシステムでの学歴ポイント
エクスプレスエントリーのCRSシステムでは、より高いレベルの学歴に高いスコアがつきます。具体的には、エクスプレスエントリーシステムの「教育レベル」で以下のCRSスコアが与えられます。
教育レベル | CRSスコア |
---|---|
Masterの学生 | 配偶者/コモンローパートナーがいる場合は126点、いない場合は135点 |
PhDの学生 | 配偶者/コモンローパートナーがいる場合は140点、いない場合は150点 |
大学院留学生を対象としたPNPを設けている州・準州
カナダでMasterまたはPhDを取得した学生は、さらに様々なPNP(各州ノミネーションプログラム)を申請することができます。特に、オンタリオ州やブリティッシュコロンビア州など、留学生の多い州の多くが、これらのプログラムを卒業した学生を対象とした特定のストリームを運営しています。これらのPNPの詳細は、以下のリンクから入手できます。
- British Columbia: International Post-Graduate Category
- Ontario: Ontario Masters Graduate Stream
- Ontario: Ontario Ph.D. Graduate Stream
- Manitoba: Graduate Internship Pathway
日本語での詳細はこちら。
カナダ大学院進学のメリットとポイント
ここまでのご説明で、永住権申請に、大学院留学のメリットがお分かりになったかと思いますが、それだけではありません。私たち移民コンサルタントから見る、カナダの大学院に留学することのメリットも挙げようと思います。
就職活動での優位性
大学院を卒業すると、就職活動で高いスキルレベルを要求される仕事を見つけやすくなるという大きなメリットがあります。これは永住権申請にも有利で、求められるのは「スキルドワーカー」つまり技術職、専門職、または管理職です。大学院卒の多くはこれらの職に就く可能性が高いです。さらに、統計によると、大学院卒の平均年収はカレッジ卒業生よりも高い傾向にありますが、具体的な数値は職種によって異なります。
配偶者のオープンワークパーミット取得
大学院留学生の配偶者は、特定の条件下で配偶者就労ビザ(オープンワークパーミット)を取得することが可能です。重要な点として、留学生が在籍しているプログラムの期間が16ヶ月以上である必要があります。つまり、16ヶ月未満のプログラムに在籍している留学生の配偶者は、オープンワークパーミットを取得できません。
この制度を利用することで、配偶者はオープンワークパーミットによる就労経験を基に、留学生とは独立して自身の永住権を目指す動きを行うことができます。これにより、夫婦がそれぞれ異なる経路で永住権を申請することが可能となり、カナダで家族移住を目指す場合、永住権取得の機会が増加します。
このような選択肢を活用することで、留学という大きなステップを家族単位で最大限に活かし、将来的にはより安定した移住計画を立てることができるでしょう。
日本帰国後の就職にも有利
何らかの理由でカナダに永住せずに日本に帰国する場合でも、「カナダで大学院を卒業してきた」というステータスは、帰国後の就職にも生かすことができます。
最後に
大学院留学は、入学する難易度はカレッジより高いですが、その後のメリットが非常に多いです。これは、「カナダ政府がより高い学歴の新移民を求めている」ということにほかなりません。カナダが欲しいと思う人材になって、カナダ永住権を目指しましょう!これが、今後カナダの永住権を目指す方のキーポイントです。
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