日本の政府は11月2日、単純労働を含む外国人労働者の受け入れを拡大する出入国管理法改正案を閣議決定しました。人手不足の分野で一定の技能を持つ外国人を対象に、「特定技能」という新たな在留資格を来年4月に設定するそうです。野党からの批判があり、今のところ、施行3年後に制度を見直すという、いわばカナダでいう「パイロットプログラム」としてスタートするようです。
「特定技能1号」は、即戦力として活動できる外国人で、学歴・職歴共に不問の単純労働。対象業種は、建設業、造船業、自動車整備業、航空業、宿泊業、介護、ビルクリーニング、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業などの業種が対象。
そして「特定技能2号」は、熟練した技能を持つ外国人とのことですがこちらも学歴・職歴共に不問の単純労働。対象業種は、建設業、造船業、自動車整備業、航空業、宿泊業が対象だそうです。こちらは更新時の審査を通過すれば長期の就労も可能で、10年の滞在で永住権の取得要件の一つを満たし、永住権取得にもつながるとのこと。
「特定技能1号」はカナダでいうNational Occupational Classification (NOC)のスキルレベルD、「特定技能2号」はNOC Cというところでしょうか。
受け入れる雇用主として、外国人にも日本人と同等またはそれ以上の報酬を支払う必要があるというところは、カナダの就労ビザと同じですね。ただし、「生産性向上や女性、高齢者など日本人の労働者を確保する努力をしても人材が足りない分野」ということですでに業種が決定されていて、毎回の申請時に「本当に日本人労働者が探せなかった証明」の提出はないので、そこはカナダと大きく違うところです。
専門的な技術や技能や知識を持っている外国人の入国は認め,単純労働に就労することを目的とした外国人の入国は認めていない現在の制度に対する日本人の考えは、「今後とも専門的な技術や技能や知識を持っている外国人は受け入れ、単純労働者の受入れは認めないほうが良い」と答えた人が25.9%、「女性や高齢者など国内の労働力の活用を優先し、それでも労働力が不足する分野には単純労働者を受け入れる」と答えた人が39.0%、「特に条件を付けずに単純労働者を幅広く受け入れる」と答えた人が16.7%とのこと。
そして「女性や高齢者など国内の労働力の活用を優先し,それでも労働力が不足する分野には単純労働者を受け入れる」と答えた人に,仮に一定の範囲で単純労働者の受入れを認める場合どのような条件や制限が必要だと考えるか聞いたところ、「日本人の雇用を優先し、余った求人募集についてのみ外国人の受入れを認める」を挙げた者の割合が51.7%と最も高く、以下、「社会保障や教育などに要する費用は誰が負担するか明確にする」(43.1%)、「滞在期間に期限を設けそれ以上の滞在は認めない」(35.1%)、「一定水準の日本語能力を持った人だけを受け入れる」(23.8%)などの順となっています。
カナダで、日本人就労希望者のために就労ビザ申請をしているビザJPカナダでは、カナダ人もこの日本の世論と同様な思いを持っているだろうことを日々感じています。
「まずはカナダ人の雇用を優先。余った求人のみ一時的に外国人で労働力を補う」
「カナダ人(永住権保持者)が払った税金で、一時滞在者である外国人労働者やその家族のの社会保障・医療・教育の費用を出すのか」
「英語やフランス語ができないのに働かせるのか」
日本人だって、特に条件を付けずに外国人労働者を幅広く受け入れようという人は少ないのですから、わたしたち日本人がカナダに来たら、カナダの人々やカナダの政府に「ぜひこの人ならカナダに長く居てほしい」と思ってもらえるような人材に自分がなれるようにならないといけませんね。
カナダを含め外国での就労を目指している日本人の方には、今回の日本の外国人労働者受け入れ制度が、受け入れる国側の考えも理解するきっかけになるのではと思っています。
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