5月16日のニュースで、就労ビザ申請に関わってくるような問題点が取り上げられました。
カナダの会計検査院長官Michael Ferguson氏が雇用主の労働者管理状況に問題があると指摘しています
不正を引き起こしているのは雇用主である企業ですが、それよりも今回問題視されているのは、政府のずさんな管理だとというのが長官の指摘するポイントです。
雇用主が既に在籍しているカナダ人社員を教育して必要なポジションに就かせる努力や、ファーストネイションズを含む失業中カナダ人の雇用への十分な努力をしていないにも関わらず、政府がビザ申請に許可を出しているということです。
いくつかの企業は、外国人労働者を使って事業を上手く回せるビジネスモデルをすでに確立させているようですが、平均賃金の引き下げや資本投資の敬遠などに繋がりかねないということがあまり理解されていないといいます。また、もちろんですが、低賃金外国人労働者がカナダ失業者の就労機会を奪っているという、もっと直近の問題でもあります。
本来であれば、就労ビザ発給時に約束した条件(=LMIAに記載されている条件)で働かせているかチェックするために、会社に監査が入ったり、対面での面接による審査を行うといったようなことが、政府によってされるべきなのですが、それが徹底されていない現状も問題だといっています。企業への制裁が必要なケースでも、実行するための承認を得るのに何ヶ月もかかるという仕組み上の問題もあるようです。
今回の報告を受けて、Employment and Social Development Canada(労働省)の管理局は、長官による改善案は全て導入すると発表しています。
就労ビザ取得後の監査が厳しくなることが予想されますので、労働環境の見直しや労働条件の遵守を雇用主側は徹底する必要がありますね。従業員側も、就労ビザが出たあとも、条件通りにに働けているか、気を付ける必要がありそうです。
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