カナダ政府は、2024年10月24日に「2025-2027年移民受け入れ計画(Immigration Level Plan)を発表しました。この計画は、人口増加を抑え、経済と社会基盤の安定を図るため、住宅やインフラ、社会サービスへの過剰な負担に対処した、持続可能な移民政策を目指したものです。具体的には、永住者と一時滞在者の受け入れを段階的に減らし、次のように管理目標を設定しています。
移民数の段階的な減少
2025年から2027年にかけて、カナダの移民受け入れ数は段階的に減少していくことが明らかになりました。具体的な目標は以下の通りです。
- 2025年: 39万5000人
- 2026年: 38万人
- 2027年: 36万5000人
この減少目標は、近年の移民急増による住宅供給のひっ迫、医療や教育のサービスへの負荷を考慮したものです。また、労働力の充足を図りつつも、カナダ社会における持続可能な発展を維持するための一時的な減速策ともいえます。特に留学生や外国人労働者を含む一時滞在者の受け入れに対しても、2026年には全人口の5%を上限とする厳しい制限が導入される予定です。
これらの目標設定により、カナダに移住を希望する方にとって移住のハードルは確実に高くなっています。長年、カナダは移民によって人口増加を維持し、医療や建設業、テクノロジーなどの主要分野の労働力不足を解消してきましたが、コロナパンデミック後の急激な移民増加が社会資源に過度な負担をかけたことも事実です。カナダ移民局のマーク・ミラー大臣は、このような「責任ある移民管理」を強調し、現在の政策が住宅危機や賃金停滞といった課題に応えるものだとしています。
一時滞在者からの永住権取得促進という選択
今回の計画には、新たな政策の柱として「短期滞在者から永住資格への移行促進」が掲げられています。特に留学生や外国人労働者には引き続き永住権取得の道が開かれ、2025年までに永住権取得者の40%以上が短期滞在者からの転入者になる見込みです。これは、カナダが依然として高度なスキルを持つ労働者に対して門戸を開く方針を維持していることを示しています。
医療や技術、建設などの分野で外国人労働者は欠かせない存在であり、このような経済的必要性が移民政策の土台となっています。
移民政策とカナダ社会の変化
しかし、カナダの移民受け入れ政策の方針転換は、国内外に少なからず波紋を広げています。近年のカナダは「移民大国」として急成長を遂げ、2023年には人口増加の98%が移民によって支えられていました。そのため、今回の急な方針転換は、移住を目指してきた多くの外国人にとって、厳しい現実を突きつけることになりました。
政治的背景とその影響
政治的背景も影響しているのは否めません。2025年に予定される選挙を前に、カナダ現政権が、国内の反移民感情や市民の経済的苦境に応えるため短期的な結果を優先した可能性が指摘されています。選挙を目前にして移民数を大幅に削減する意思表明をしたことで、カナダ人が危惧している住宅危機や賃金の停滞といった課題に対する政府の対応力を示したというところでしょう。
一方で、長期的な影響が懸念される点もあります。例えば、アメリカでも選挙戦が行われていますが、隣国アメリカで移民政策が変わり、四年制大学を卒業する留学生に就労ビザを与え、永住への道を開く政策を推進すれば、若い労働者層が流出し、カナダでの人材不足がさらに加速する可能性があります。こうした現実は、カナダ移住を目指す外国人やそのサポートをする私たち移民コンサルタントにとって慎重な行動を促すものであり、今後の状況を冷静に見極めることが必要です。
新たな挑戦と永住の希望を支えるカナダの美しさ
それでもなお、カナダは移住先として多くの人々を魅了し続けています。コロナパンデミック中の移民受け入れがカナダ経済を支えたことを忘れてはいけません。現在は政策の転換期ですが、移住を夢見る多くの外国人が努力を続けているのも事実です。国際的な流動性が高まり、経済環境が変化していく中で、カナダに永住したいと願う人々には、信頼できる移民コンサルタントの助けがますます重要となります。
政策がどうであれ、変わらないこと・・・カナダには豊かな自然、温かい市民、そして多様性を尊重する文化があります。こうした不確実な時代だからこそ、最新情報を確認しながら確実に計画を進めることが、理想のカナダ生活への一番の近道です。美しい山々や湖、活気あふれる街並みが広がるカナダで永住の夢を一緒に叶えましょう。
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