前回のブログでは、BC州の特に飲食店で人材不足が深刻化していること、そして、外国人として仕事を探す上では、チャンスでもあるかもしれないという話題をご紹介しました。
今回は、視点を変えて、雇用主が人材確保のために理解したいことと、現状を変えるためにできることをご紹介します。
雇用主には負担となる採用活動
BC州では家賃(≒テナント料)の高騰が長い間、問題になっていますが、それ以外にも事業を運営するにあたり多くのコストがかかります。忙しくて人手が足りない事業こそ、採用という業務は後回しにされがちです。採用は様々なコストがかかり、常にリスクもあり、雇用主の腰が一番重い業務内容のうちの一つとも言えるでしょう。
そうは言っても、ビジネスを作るも続けるも人が命です。
雇用する側も雇用される側も、納得できる部分があってこそ、雇用関係は成立するので、提示する労働条件と、そのバランスを見極めることもビジネスのトップの手腕が問われるところだと思います。
雇用の大前提
雇用主、労働者、消費者(サービス利用者)どの立場の人たちも一人勝ちできる道はないので、歩み寄りが必要ですが、一ついえるのは「売り手市場での人材確保には雇用主の歩みよりが必要」ということです。求人が多いにも関わらず就労希望者が少なければ、企業は優秀な入社予定者の確保に苦しむことになります。よって、「就職売り手(優位)市場」となるのです。
売り手市場の中、そのビジネスを本当に続けたいなら、そしてそれが一人で出来ないものであるなら、誰かの助けを借りないといけないので、人材を探して雇用する、というのが流れです。
人材確保のためにできること
提示している給与額や待遇で人が集まらないということは、給与を上げるか、そこで働くことへの付加価値をどうにかして付けるしかありません。お給料を上げられないのであれば、ベネフィットを充実させる、労働条件を緩める、他のコストを削る、利益を増やす施策を練るなど。簡単ではありませんが、人が居なければビジネスは回りませんから、そこに頭を悩ませる価値はあると思います。
それができずに、あるいは、そこまでして続ける価値はないと判断し、事業をたたむ雇用主様も多くいらっしゃるようです。
地域のビジネスを守るために
BC州の人材不足を取り上げている様々な記事では、バンクーバーエリアで歴史あるレストランが、人手不足のために閉店するしかなかったという例をいくつか扱っていました。地域にとって大事なレストランを守るためには、値段が上がっても美味しいと思うところには食べに行き続けるというのが、消費者としてまずできることかもしれません。
また、政府も対策に動き出しています。人材確保のために、元ドラッグ中毒症でリハビリを経て回復してきた人向けの、復職サポートプログラムを導入する事業があるそうです。雇用主がこのプログラムへの参加をすることで、プログラムで教育を受けた人材が働けるようになれば、雇用を確保できるという内容になっています。
失業率を下げると外国人が働きやすくなる
賃金ばかりではなく、従業員が働きやすいようになるために、また、働きたいと思うカナダ人を増やすために、サポートを充実させようという動きが始まっています。時間はかかることではありますが、失業率が下がれば、外国人の就労ビザも下りやすくなりますから、カナダ人・外国人に関わらず、地域ぐるみで労働条件の改善に取り組むことは重要だと思います。
次回は、実際に雇用主として、欲しい人材をひきつける求人広告のつくり方についてお伝えしたいと思います。
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