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カナダ移民を希望する方の中には、「もう40歳を過ぎているからチャンスが少ないのでは……」と感じている方も多いでしょう。ところが、必ずしもそうとは限りません。エクスプレスエントリーシステムを通じて永住権Invitation to Apply(ITA)を受け取ることは可能です。今回は、40歳以上の方がどのようにしてITA獲得の可能性を高められるか、過去の事例を交えてポイントを整理します。
エクスプレスエントリー/CRSスコアの基本
エクスプレスエントリーでは、総合選抜制度(CRS = Comprehensive Ranking System)に基づいたスコアで候補者が比較されます。ITAを受けるためには、このCRSスコアがその回の“cut-off”(基準点)を上回る必要があります。cut-offはその時点でプールに登録されている候補者のプロフィール(スキル、言語スコア、学歴、職歴など)や、どのカテゴリー(FSW,・FST,・CECなどの申請カテゴリーや、仏語・教育職歴・医療職歴などの優先分野)のドローイングが行われているかによって変動します。
2025年の例では、カナディアンエクスペリエンスクラス(CEC)ドローイングではCRSのスコアが 518~547点 の範囲で推移。優先分野ドローイング(保健・社会サービス、フランス語能力、教育など)では、379~510点とです。
つまり、ITAを獲得するためには、常に最新のcut-offを把握し、自分のCRSスコアがそれを上回るように準備することが不可欠です。
年齢40歳以上でも選ばれた実例
ビザJPカナダではこれまでたくさんの事例を扱ってきました。以下、40歳以上でITAを獲得できた方のプロフィールを参考に見てみましょう。年齢のマイナス点を他の要素でどうカバーできるかがポイントです。
例1:40代前半/カナダ滞在+学歴+言語能力が高いケース
44歳の方で、カナダの大学で修士号取得(大学院卒業)後、PGWP(ポストグラデュエーション・ワーク・パーミット)でデータアナリストとして3年のカナダ就労経験あり。英語が非常に高いレベル。フランス語のスコアも中級以上あり。国外での職歴も長い。こういった要素でCRSスコアが530点程度となり、CECでITAを受けたという例。
例2:配偶者の能力を活かす例
本人は43歳で、国外での職歴は長いもののカナダでの経験なし。配偶者(40歳)がカナダで4年の図書館員経験を持ち、高度な学位を有していたため、配偶者を主申請人とすることでスコアを高めたケース。このような戦略でCRSスコア500点以上を獲得。
例3:優先分野での選抜(職業カテゴリ、フランス語重視など)での成功例
年齢が50歳以上、フランス語能力がCLB7以上と高いことで、CRS403点を獲得し、フランス語能力を重視するDRAWでITAを得た例。
配偶者と主申請者をどうすべきか
配偶者の有無や配偶者の能力はCRSスコアに大きく影響します。以下を検討する価値があります。
- 主申請人を誰にするかを慎重に判断する(年齢・学歴・言語能力などでスコアが高くなる方を選ぶ)。
- 主申請人を変えて2つのプロフィールをExpress Entryプールに登録する方法もある。ただし両方がITAを受け取れた場合でも、申請は1件にします、永住権(PR)は申請時の申請人および配偶者に付与されます。
CRSスコアを上げるための戦略
年齢によるマイナスをカバーするには、以下のようなポイントでスコアを強化することが有効です。
- 学歴を高める
カナダ国内での学位取得を含め、より高い教育レベルを持つことはCRSに大きく影響します。特に大学の学士号・修士号・博士号など。国外学歴を評価してもらう手続き(ECA:Educational Credential Assessment)も忘れずに。 - 言語能力の向上
英語・フランス語(公式言語両方)がCRSにおいて非常に重要です。言語試験で上のレベルを取得することで、追加加点などにおいて大きなプラスになります。フランス語はCLB7以上あると大変有利です。 - カナダでの就労経験を積む
カナダでの就業経験は加点が大きくスコアアップに直結します。就労ビザを取得して現地で働くことで、履歴に「カナダでの職歴」を加えると有利です。 - 追加要素を活用する
たとえば、カナダの認定教育機関での学歴がある、トレード系の仕事のカナダの免許がある、既にカナダ市民や永住者の兄弟姉妹が国内にいる、など、CRSの“追加ポイント(Additional factors)”を得られる要素を確認しましょう。
まとめ
- 年齢が40歳を超えていても、Express Entry制度を通じてITAを得るチャンスはあります。特にCECや優先分野型(フランス語、教育・医療など優先職種)のドローイングでは、cut-offスコアが比較的幅があることが過去の実績から分かります。
- 年齢のマイナス点を補うためには、学歴・言語能力・カナダでの職歴など、他の要素をいかに強化するかが鍵。
- 配偶者の学歴・言語能力もスコアに影響するため、どちらを主申請人とするかなど戦略的にプロフィールを作成することが重要です。
- 年齢のマイナス点を補うためには、学歴・言語能力・カナダでの職歴など、他の要素をいかに強化するかが鍵。
ビザJPカナダでは、あなたの具体的な状況(年齢、学歴、言語能力、職歴など)を伺って、ITA獲得見込みのスコアを試算できます。また、エクスプレスエントリー以外の方法での永住権の目指し方についてもお話しできます。ご興味がありましたらぜひ、弊社までお問い合わせください。
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