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カナダ移民局は、2023年春より、エクスプレスエントリーを改定し、特定の属性に基づいたターゲット・ITAドローイングを開始する予定です。
従来のITAドローイングと改定後の「ターゲット・ITAドローイング」
ITAドローイングとは、エクスプレスエントリー登録中の人にITA:Invitation to Apply 永住権申請を許可するレターを発給することです。従来のITAドローイングは、CRS(Comprehensive Ranking System)と呼ばれる総合ランキングスコアシステムに基づき、職歴、学歴、語学力、年齢などの総合ポイントが高い人を優先してITAが発給されていました。
システム改定後は、これとは別に、より需要のある職種や、その他のカナダ政府の方針(フランス語スピーカーを増やすなど)に沿った属性を持つ特定のターゲットに絞り込んだITA発給もされるようになります。
【エクスプレスエントリーのシステム変更の経緯】
2022年6月23日に法案C-19が議会両院で可決されました。この法案により、社会的に需要のあるスキルや能力を持つカナダ移民候補者を招致する権限が移民大臣に与えられることになりました。
ITAを受け取るターゲットは誰?
現在、どんな属性の人にITAが送られるかは発表になっていません。移民大臣は、州、ビジネス協議会、その他の関係者と協議し、どんな人を対象とするかを検討する予定だとのことです。最も差し迫った経済的ニーズや、より緊急性の高い労働力不足の状況に基づいて決定されるようです。
深刻な人手不足が続く医療分野
例えば、医療は最も緊急性の高い職種のひとつと考えられています。昨年末の求人倍率は6%。政府は、他国でトレーニングを受け、すでにカナダに滞在している有資格の医師がカナダの医療現場でも働くことができるよう障壁となるものを出来るだけ取り払ったり、最近になって外国人資格認定プログラムを導入するなど、この分野の雇用を満たすための対策をとっています。
そう考えると、改定後のエクスプレスエントリーが医療専門職の経歴を持つ候補者をいち早くターゲットにして、医療現場の欠員を補充する動きを見せることは十分に予見できます。
カナダで学歴を得ていることも有利
その他、カナダの学校を卒業した人や、高いフランス語力を持つ人をターゲットにする可能性があると、カナダ移民局は示唆しています。
なぜシステムの改変が必要なのか?
カナダは現在、高齢化と少子化のために深刻な労働力不足に陥っています。2030年には900万人のカナダ人が65歳の定年を迎えると予想されており、そのポジションを埋める若いカナダ人が不足しているため、求人数が多くなり、その補充が困難になっています。カナダは労働力を維持し、経済を良好な状態に保てるよう、その多くを移民に頼っています。
労働力の維持と成長のため、移民受け入れ計画の最新版 Immigration Levels Plan 2023-2025では、2025年には年間最大50万人もの新規永住者の受け入れを目標として掲げ、さらにこのうち、11万人以上がエクスプレスエントリー経由での永住権取得となるとしています。
エクスプレスエントリーはどのように機能するのか?
エクスプレスエントリーのシステムは、フェデラルスキルドワーカー(FSW)、フェデラルスキルドトレード(FST)、カナディアンエクスペリエンスクラス(CEC)の3つの永住権申請カテゴリーに申請を希望するスキルドワーカーが、申請条件を満たした後にまず登録をするというシステムです。
2015年1月にエクスプレスエントリーが施行されて以来、永住権申請希望者はComprehensive Ranking System(CRS)のスコアに基づき、ITAを受け取るようになりました。CRSでは、候補者は職歴、学歴、語学力、そして年齢やカナダに家族がいるかなど、複数の要素からなる総合スコアで評価されます。各要素には点数が付けられており、総合点数が高い候補者は、CRSの点数が高く、したがってITAを受け取る可能性が高くなります。
2023年春からのターゲット・ITAドローイングの場合でも、まずはFSW、CEC、FSTのいずれかの永住権カテゴリーに申請するための基準を満たす必要があることは変わりません。しかし、登録者はCRSスコアの高い順にITAを受け取るのではなく、このターゲット・ITAドローイングの場合は、特定の職務経験、学歴、言語能力など指定された属性を持つ候補者に合わせて行われる可能性があります。
新しいエクスプレスエントリーに期待が高まりますね。今後もカナダ移民局から詳しい発表があり次第、ニュース記事などで掲載していきます。また、ビザJPカナダにすでに永住権取得コンサルティングをご依頼いただいているお客様には、お客様のチャンスにつながる新しい情報が入り次第、随時お知らせいたします。
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