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BC州、2024年のBCPNP統計報告書を発表:移民政策の傾向と今後の方針について

投稿日:2025年6月25日

更新日:2025年6月25日

BC州、2024年のBCPNP統計報告書を発表:移民政策の傾向と今後の方針について

カナダ・ブリティッシュコロンビア州(以下BC州)の経済と社会を支える柱の一つに、州独自の移民選定制度「BCPNP(BC 州ノミネーションプログラム)」が存在します。BC州は2025年6月25日、2024年版BC州ノミネーションプログラム(BCPNP)の統計報告を発表しました。

BCPNPは、同種の移民プログラムの中でもトップクラスの成果を上げており、他の州や連邦の移民プログラムと比べても同等かそれ以上の実績を誇ります。たとえば、2015年から2019年の間に入国した移民のうち、BCPNPの主申請者は、他の州の申請者と比べて、永住後1年目の平均年収が最も高く、58,100カナダドルでした。

また、カナダ統計局の最新データによると、BC州は申請者の定着率においても非常に優れた実績を示しています。永住権取得から1年後には97%がBC州に留まり、5年後でも92%が州内に居住し続けています。

連邦政府の割当削減とその影響

2024年、カナダ連邦政府は一時滞在者数を抑えつつ、既存滞在者の永住権化を促す方針にシフトしました。BC州に割り当てられる移民枠も大幅に削減され、当初予定されていた9,000件は8,000件に縮小しました。さらに2025年には、BC州の要望である11,000件に対して、割当はわずか4,000件となり、州政府としても厳しい状況に直面しています。

この割当削減により、BCPNPは2024年後半から新規申請の受け入れ制限を余儀なくされ、処理遅延やバックログの発生を避けるための調整が続いています。

BCPNP:戦略の3つの柱

BCPNPのプログラム設計をBC州全体の広範な戦略目標と連携させることで、州の成長と持続可能性に大きく貢献しています。

  1. 住宅供給の加速: 建設業界で必要とされる職種を優先的に受け入れることで、より多くの住宅をより早く人々に届ける取り組みを支援します。
  2. 医療・福祉サービスの強化: 医療、保育、獣医療など、州民が日常的に頼る重要なサービス分野に従事する人材を重点的に選定します。
  3. 誰もが恩恵を受けられる強固な経済の構築: 州内の労働力だけではまかないきれない職種を補完することで、経済全体を持続可能かつ包括的に強化します。

2024年度のBCPNPにおける傾向

2024年度の統計報告書では、多角的な面からBCPNPの傾向が考察されました。

①賃金

2024年におけるBCPNP Skills Immigrationカテゴリー申請者の時給中央値は前年より5.25ドル低く、BC州全体の中央値より2.25ドル低い水準となりました。

この賃金の低下傾向は、主に保育士(BC州の時給中央値:22ドル)や非臨床の医療関連職など、需要が高い一方で相対的に賃金が低めの職種を優先的に受け入れたことが要因です。

②メトロバンクーバー以外の地域におけるノミネーション

2024年には、BCPNP Skills Immigrationカテゴリーにおける地域ノミネーションの目標値であった30%を大きく上回り、全体の42%がメトロバンクーバー地域以外に定住しました。

この傾向は前年の2023年に続き2年連続で見られたもので、予想を上回る高い地方定住率となっています。この結果の主な要因のひとつとして、「医療および保育分野の職種を重点的に優先した施策が継続して成果を上げている」と述べています。

③エッセンシャル・サービスへの重視

2024年、BCPNPにおいて医療関連職のノミネーション数は前年比71%増加し、保育士は52%増、獣医関連職は17%増となりました。なかでも、1,279名の申請者が保育士として働いているという結果が出ています。

これらの職種は、BC州民の生活を支える不可欠なサービスであり、BCPNPでは引き続き、医療・保育・獣医療といったエッセンシャル分野の人材確保を最優先とする戦略を実行する予定です。

④職業別傾向

2024年、BC PNPのSkills Immigrationカテゴリーにおいて最大の職業分野は「教育・法律・社会/公共サービス関連分野」でした。これは、保育士を優先職種として積極的に受け入れたことが主な要因です。

一方、前年まで最大だった「自然科学・応用科学関連分野」は大きく減少し、第2位に後退しました。また、「医療分野」は優先施策の効果により、申請者全体の7.2%から12.1%へと大幅に増加し、第3位の職業カテゴリーとなりました。これは、医療職に対する重点的な受け入れ戦略が着実に成果を上げていることを示しています。

⑤申請者の出身地域

技能移民の多くは、インド・中国・フィリピンなどのアジア諸国出身です。その他の主要な出身地域としては、北アフリカ・中東が9.8%、中南米・カリブ地域が9.1%を占めており、BCPNPの受け入れは多地域にわたる多様性を反映しています。

⑥Skills Immigrationの審査実績

BCPNPでは通常、連邦政府からのノミネーション枠の約99%をSkills Immigration枠に使用しています。2024年にはBC州は8,000件の割当を受け、そのうち7,972件をSkills Immigrationに活用しました。

2024年の総審査件数は8,784件で、前年の9,112件と比べると3.6%の減少しています。そのうち7,972件がノミネーションに至り、承認率は90.8%となりました。

この高い承認率は、BCPNPの選考設計や申請受付管理システムが、BC州の経済ニーズに合致した適格な候補者を的確に選び出していることを示しています。

地域のニーズに基づいた移民制度

BCPNPは、州レベルで独自の選考を行える数少ない移民制度として、その柔軟性と戦略性を生かしています。2024年は厳しい連邦政府の制約のもとでも、地方地域における人材定住、保育・医療・教育など不足している職種の人材確保に大きく貢献しました。

ただし、2025年のBC州におけるPNP割当数はわずか4,000件となっており、その数の多くは前年度に受け付けた既存の申請書に割り当てられるとすでに発表されています。ほとんどの職種において、2025年はBCPNPは申請できないことになりました。

まとめ

ビザJPカナダでは、2026年に向けてのBCPNPの動向を、今後も注視していきたいと思います。また、PNPだけでなく、さまざまなビザ・永住権申請に対応しています。ご自身に合ったプログラムについて知りたい方は、ぜひ弊社までお気軽にご相談ください。

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