州の労働省が定める “General Minimum Wage（一般最低賃金）”は、一部の職種が含まれていないのをご存知ですか？

BC州最低賃金が6月から$12.65に、2021年には$15.20へ賃上げされるニュースを以前のブログでご紹介しました。ここで紹介した最低賃金は、 “General Minimum Wage（一般最低賃金）”と呼ばれているものです。そしてこの一般最低賃金は、一部の職種を対象にしていません。その一つに、”Liquor servers（酒類を提供するサーバー）”が含まれており、その職種に就く人たちの現在の最低賃金は、一般最低賃金より1ドル以上低く設定されています。

Liquor Server Wage はなぜ安いのか？

その背景には、「お酒を提供する飲食店のサーバーの人たちは、他の職種よりチップを安定的に得られるだろう」という考えがあります。つまり、チップ収入によって時給以上の収入を確実に得られるから、時給が一般最低賃金より低く設定されているのです。

BC州労働省は、この考え方を「差別的である」としています。現に、Liquor Server として働く人（主に女性）にとってチップが基本的最低収入に含まれることは性差別的なリスクを負っているという考え方があります。

BC州Liquor Server Wage 引き上げプラン

BC州はこのほど、Liquor Server Wage を段階的に引き上げ、最終的に2021年6月に一般最低賃金と同等の時給15.20ドルにすることで最終的にはLiquor Server Wageを廃止することを発表しました。

• June 1, 2018: $1.30 increase to $11.40 per hour
• June 1, 2019: $1.30 increase to $12.70 per hour
• June 1, 2020: $1.25 increase to $13.95 per hour
• June 1, 2021: $1.25 increase to $15.20 per hour　※この時点で一般最低賃金と同額

この、Liquor Server Wage引き上げも含め、先ごろの最低賃金引上げのニュースは飲食店で最低賃金での仕事をする人たちにとって、プラスの動きではあります。とはいえ、人件費が10%上がったからと言って、飲食店で提供されるメニューの価格を単純に10%上げられるかというとなかなかそうもいきません。経営者にとっては難しい経営を迫られることにもなりそうです。