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2022年カナダ永住権発給状況に関する興味深いデータ


こちらの記事は動画でも解説しています

カナダ移民局関連ニュースのオンラインメディアCIC News9月13日付の Canada is on track to welcome a record 431,000 immigrants という記事で興味深いデータがあったので、皆さんに日本語で紹介します。

2022年8月22日時点で、今年すでに約30万人の新しいカナダ永住者が誕生

過去最速で30万人達成
ショーン・フレーザー移民大臣は8月中旬に、今年に入ってからの新永住者の数が早くも30万人の大台に乗ったことを発表しました。そして年間30万人を超える新移民を迎えることは、1867年に連邦制が始まって以来、1911年、1912年、1913年、2018年、2019年、2021年の6回だけであり、今年これを8月半ばに達成した2022年は歴代最速であると述べました。

2020年はパンデミックによる渡航制限があったため新規の入国者が低迷、翌年はそこからカナダ移民局は移民受け入れ数を増加させ、過去最高の40万5330人の新永住者が誕生して2021年を終えました。それでも30万人の大台を超えたのは、その年の第4四半期に入ってからでした。

カナダ移民局のオープンデータポータルで公開されているデータを見ると、現時点では2022年6月までの新規移民人数しか報告されていません。7月と8月の結果は、これから公開されるものと思われます。

2022年は移民受け入れ数の記録を更新する見込み
ここで公開されている6月末時点での新規移民人数は約23万1620人。8月中旬で30万人に到達したという発表から考えると、カナダは7月と8月の2ヶ月間で約6万8000人の永住者を受け入れたことになります。

このペースが今年の残り4カ月も続いたとすると、カナダの2022年の新規移民受け入れ目標数として設置されている43万1645人は達成可能で、あるいはそれを上回る可能性もあります。移民局がこの目標を達成すれば、2021年の記録をさらに更新して、過去最高の移民受け入れ数を記録することになります。

移民局データから読み取れること

移民局が公開しているデータからは、永住権取得者がどの国から移住し、どのカナダの州や準州より入国しているかがわかります。(ただし、カナダ移民局は個人情報保護の目的で、5以下の数値を切り上げ/切り捨てをして個人が特定されることを回避しています。そのため、データの合計が必ずしも実際の合計と一致しない場合があります。)

データでみる「2022年上半期のカナダ移民」

こちらで紹介するのは、いずれもCIC Newsが公開している情報の引用となります。
参照元:https://www.cicnews.com/

新永住者の出身国トップ10

新規移民の出身国としては、インドが依然として大きな差をつけてトップです。今年上半期、68,280人のインド人がカナダ永住権を取得しました。インド人は2017年以降、カナダへの新規移民の出身国として一貫してトップを占めており、最新データーではカナダ国内の全移民のうちインドからの移住者が占める割合は29%です。

アフガニスタンからの永住者が大幅に増加しました。タリバンによる政権奪取の影響を受け、2021年後半、カナダ連邦政府が同国から逃れてきた4万人の難民の再定住を約束しました。これにより、アフガニスタンからカナダへの移民が急増し、アフガニスタンは全体で9番目に多い新規入国者の出身国となっています。今年は今のところ、アフガニスタンが4位に入ってきています。2022年8月31日現在、アフガニスタン人向けの新しい永住権プログラムにより、約18,075人の難民がカナダに到着しています。

国名2022年1~6月の新規入国者
インド68,280
中国16,540
フィリピン12,630
アフガニスタン11,415
ナイジェリア10,080
イラン6,425
フランス6,280
アメリカ6,025
パキスタン5,505
ブラジル4,810

州別の永住者受け入れ数

オンタリオ州は、新永住者の着地点として圧倒的な人気を誇っています。今年上半期にオンタリオ州に移住した新永住者は合計101,155人で、2位を争うブリティッシュ・コロンビア州の3倍近くとなっています。BC州には、6月末現在、36,700人が新たに永住権を獲得しています。

ケベック州は、今年上半期に31,880人の移民を受け入れ、全体で3番目に多い移民を受け入れました。アルバータ州は26,920人で4位でした。

また、オンタリオ州は、経済、家族、難民、その他というカナダのすべての移民カテゴリーで最も多くの新永住者を受け入れました。BC州は、経済・家族クラスで2番目に多く受け入れ、その他のカテゴリーでは3番目でした。アルバータ州は、難民を2番目に多く受け入れ、家族移民を3番目に多く受け入れています。ケベック州は、経済・難民クラスの移民を3番目に多く受け入れ、その他のカテゴリーでは2番目に多く受け入れています。

Province/TerritoryTotalEconomicFamilyRefugeeOther
Not Stated50xxxx
Prince Edward Island1,5101,3708055< 5
Ontario101,15553,56025,06019,4703,065
Quebec31,88019,8556,5553,7851,685
British Columbia36,70023,7359,1103,450405
Alberta26,92012,3457,4206,810345
Manitoba10,7858,4501,45079095
Nova Scotia6,7455,70051051525
New Brunswick4,5453,96524532020
Saskatchewan9,5507,6301,14575515
Newfoundland and Labrador1,3059409026510
Yukon3052554555
Northwest Territories1451103550
Nunavut25151000
Grand total231,620137,93051,74536,2255,675

州ノミネーションプログラムでの受け入れ数

今年のPNP移民の受け入れはやや多め
2022-2024年の移民レベル計画によると、カナダは今年と来年、エクスプレスエントリーが関係するプログラムよりも、各州ノミネーションプログラム(PNP:Provincial Nominee Program)で迎える移民の方が多くなると予想しています。これは、カナダが2015年にエクスプレスエントリー制度を導入して以来、初めての状況です。

2022年これまでまでのところカナダは、エクスプレスエントリーで40,785人、PNPで40,835人の移民を受け入れてきました。エクスプレスエントリーを通じて永住権を取得した者のほとんどは、カナディアンエクスペリエンクラス(CEC)カテゴリーから受け入れられています。

Province/territoryExpress EntryCECFSWPFSTPPNP
Newfoundland and Labrador2010100350
Prince Edward Island9585100940
Nova Scotia480375105<52675
New Brunswick3052109502055
Quebecxxxxx
Ontario26,94015,50011,360808170
Manitoba51520531006625
Saskatchewan395225165<56620
Alberta3,8251,9251,900305770
British Columbia8,1255,6002,3351907425
Yukon5045<50155
Northwest Territories2520<5050
Nunavut10<550x
Grand total40,78524,20516,30531040,835

移民受け入れを推進し続けるカナダ

労働力不足を解消する移民受け入れ
カナダは、労働市場の空白を埋めるために諸外国からの移民(永住者)に大きく依存しています。カナダ統計局の最新データによると、求人件数は100万人以上あり、失業率はわずか4.9%と歴史的低水準にとどまっています。つまり、カナダは、いくつかの分野で労働力不足に直面しているということです。2030年までに900万人以上のカナダ人が定年退職を迎え、出生率は女性1人当たり1.4人とG7諸国の中では低いレベルであるため、この状況はさらに激化しています。

労働力不足に対処するため、カナダは毎年、記録的な水準で移民を増やし続けることが予想されます。例えば、2024年にカナダは、移民水準計画の一環として45万人以上の新永住者を受け入れることを目標としています。一部の州政府は、需要の高いスキルを持つ移民を呼び込むためにカナダがもっと努力することを求め、移民に関するより多くの発言権を求めてロビー活動を展開しています。

申請プロセスのオンライン化がまもなく完了
カナダはまた、申請者のために申請プロセスをより簡単かつ合理的にするための新たな取り組みを行っています。カナダ移民局は最近、未処理申請書の滞留を解消し、顧客体験を向上させるためのいくつかの方策を発表しました。9月23日からは移民申請が100%デジタル化され、2023年の春までには、カナダ移民局はさらに7つの永住権および一時居住権プログラムについて申請状況トラッキングサービスを開始する予定です。

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