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カナダへの移住を検討する際、まず知っておきたいのは、この広大な国が持つ多様な地域性と、その独自の特徴です。カナダには10の州(Province)と3つの準州(Territory)があり、人口の多い州としては、オンタリオ州(約1600万人)、ケベック州(約900万人)、そして弊社オフィスが所在するブリティッシュコロンビア州(約560万人)が挙げられます。
カナダの公用語は英語とフランス語ですが、その言語分布には地域差があります。例えば、トロントやバンクーバーといった都市では英語が主流ですが、ケベック州ではフランス語が主言語です。また、首都オタワでは英語とフランス語の両方が日常的に使われています。特にケベック州では、フランス語の習得が仕事の獲得や永住権取得のために必須となる場合が多いのです。
本記事では、そのケベック州の持つ独自の制度、ビザ・永住権申請の対応に関する情報をお届けします。
ケベック州の歴史
ケベック州の歴史について少しご紹介します。
ケベック州は、長い歴史を持つ地域です。先住民が数世代にわたり住んでいたこの地に、1608年、フランスの探検家サミュエル・ド・シャンプランがケベック市にフランス植民地を建設しました。これがニュー・フランスと呼ばれるフランス領の一部となり、ケベックの歴史が始まりました。しかし、1763年にフランスとイギリスの七年戦争の結果、パリ条約によってニュー・フランスはイギリスに譲渡され、ケベックはイギリス領となりました。
1867年にカナダ連邦が成立すると、ケベックは州の一つとして参加しました。ケベックはフランス語が主に話される地域であり、カナダからの独立を目指す動きもあります。1995年には独立に関する住民投票が行われましたが、わずか0.58%の差で独立は否決されました。それでも、ケベック州には独立を支持する意見が根強く残っています。
ケベック州独自の法律と制度:他州とは異なる特徴
ケベック州は、カナダ連邦政府とは異なる独自の法律を持っています。その理由は、前述の通り、ケベック州がユニークな歴史的背景を持つためですが、具体的には以下の点が挙げられます。
民法制度
ケベック州は、ナポレオン法典に由来する民法制度を採用しており、カナダの他の地域で使用されているコモンロー制度とは異なります。この違いは、ケベック州における法律の解釈と適用に大きな影響を与えています。
憲法上の枠組み
1867年に制定された憲法法(旧英国北アメリカ法)は、カナダに連邦制を導入し、連邦政府と州政府の間で権限を分割しました。これにより、ケベック州を含む各州は、教育、保健、財産など、州が管轄する分野で独自の法律を制定する権利を持っています。
言語と文化
ケベック州は、フランス語圏が大多数を占めており、その言語と文化を保護するための措置が講じられてきました。その一環として、公共生活やビジネスにおいてフランス語の使用を義務付けるフランス語憲章(Charte de la langue française)など、ケベック州独自の法律が制定されています。
政治的歴史
1960年代の静かなる革命(Révolution tranquille)をはじめとするさまざまな政治的合意や歴史的出来事が、ケベック州独自の法的・社会的枠組みを形作ってきました。また、ケベック州は、独自のアイデンティティーを守るため、一定の自治権を維持し続けています。
ケベック州独自のビザ・永住権申請の流れ
どのビザや永住権でも、最終的な審査はカナダ連邦政府の移民局によって行われますが、ケベック州には独自の移民政策があるため、ほとんどの申請の流れが他の州とは異なります。
たとえば、学生ビザを申請する際には、まずケベック州からCAQ(Certificat d’Acceptation du Quebec)を取得しなければ、移民局への申請ができません。
ビザJPカナダで対応可能なケベック州のビザ申請とは?
カナダでは、各種ビザや永住権申請の代理は、カナダ国家資格を持つ弁護士、行政書士、または移民コンサルタントのみが行うことができます。しかし、ケベック州は特例で、ケベック州政府公認の移民コンサルタント資格が必要です。
弊社の移民コンサルタントは全員、カナダ政府公認の国家資格を持っていますが、ケベック州の資格は取得しておりません。そのため、ケベック州に関連する多くのビザや永住権申請については、残念ながら弊社ではご相談をお受けできません。ただし、ケベック州においても、弊社が代理申請できるビザがあります。対応可能なビザは以下の通りです。
- ワーキングホリデービザ
- CAQ(Certificat d’Acceptation du Quebec)取得後の学生ビザ
- 観光ビザ(Visitor Record)
- ポストグラデュエートビザ
- 配偶者用就労ビザ
- その他のLMIA免除の就労ビザ(社内間転勤者、ポスドク研究者など)
これらのビザについては、過去にも多くのお客様の代理申請を行っております。
ビザJPカナダで対応できないケベック州のビザ・永住権申請について
上記以外のビザや永住権申請をご検討の場合、ケベック州公認の移民コンサルタントをご紹介することが可能です。ただし、現時点(2024年8月)では、弊社がご紹介できるコンサルタントは、英語またはフランス語での対応となり、日本語でのサポートは行っておりません。
日本語での対応をご希望される場合は、恐れ入りますが、ご自身で適切なコンサルタントをお探しいただく必要があります。
カナダ移住のご相談はビザJPカナダへ
ケベック州以外の州もご検討されている場合は、ぜひビザJPカナダにご相談ください。他州で永住権を取得した後に、将来的にケベック州へ引っ越すことも全く問題ありません。実際に、弊社のお客様の中には、BC州で永住権を取得し、現在ケベック州にお住まいの方もいらっしゃいます。
「なんとなくカナダに住んでみたい」とお考えの段階、またはまだ具体的な計画が決まっていない場合でも、ビザJPカナダへお気軽にご相談ください。早い段階でのご相談が、回り道を避けるための最善策になることが多いです。
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カナダへの永住権やビザ申請は、自分で行う場合、提出書類が多くて大変で、間違いがないか不安に感じることもあるかもしれません。しかし、本気でカナダへの移住を考えているなら、移民コンサルタントのサポートを強くおすすめします。あなたの年齢、職業、家族の有無などによって、永住権を取得する方法はたくさんあります。専門家の助けを借りることで、自分の状況に合ったプランニングを確実に行うことができます。
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