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12月6日、カナダ移民局はエクスプレスエントリー登録者の中からからITA(永住権申請招待)発給対象者を選定するドローイングを実施しました。これは10月26日から約6週間ぶりのものでした。
移民局は中断していた理由について説明していません。ですが、エクスプレスエントリーのドローイングを行うタイミングを決定するには、いくつかの要因があると言えます。今回は、そのドローイング実施タイミングについてお話をします。
パンデミック以降変化したドローイング実施状況
ドローイングが次はいつ実施されそうか、というのは新型コロナパンデミック以前、比較的予測可能なものでした。カナダ移民局の公式の方針ではなかったものの、ドローイングの実施傾向は、隔週の水曜日(2週間ごと)、ITAは毎回3,000件以上発行、総合ランキングシステムCRSの合格最低ラインスコア(カットオフスコア)は約470点、というものでした。
エクスプレスエントリーが2015年1月に導入されて以来、政府が移民政策として設定する移民受け入れ目標数値はほぼ達成されており、移民局は定期的に新しいITAを発行し、迅速に永住権審査を行ってたため、エクスプレスエントリー導入当初は安定した状況が続いていました。
しかし、パンデミックの影響で、エクスプレスエントリーのドローイングは予測不可能なものとなりました。いつ抽選が行われるか、どのような種類のドローイングがあるか、ITA発給数やCRSのカットオフスコアなど、以前のようなパターンは存在しません。
例えば、今年のエクスプレスエントリーのドローイングは、6月まで約2週間ごとに定期的に行われていました。移民局がターゲットドローイングを導入すると、労働力不足への対応やフランス語圏からの移民の受け入れなど、より幅広い政策目標を達成するため、ドローイングはより頻繁に行われるようになりました。
エクスプレスエントリードローイング実施タイミングの決定要因
移民受け入れ計画
移民局は毎年、Immigration Levels Plan(移民受け入れ計画を発表)し、向こう3年間の目標を設定しています。これらの目標は、エクスプレスエントリーなどのカテゴリーごとに細分化されています。例えば、一番新しいImmigration Levels Plan 2024-2026では、2024年には110,770人、2025年と2026年には117,550人のエクスプレスエントリーを計画しています。
バックログ(未処理申請書類)件数
移民局が受け入れ計画を確実に達成するためには、バックログ(未処理の永住権申請数)を常に把握する必要があります。移民局が今年度および来年度の目標を達成するのに十分な申請件数があれば、移民局はこれ以上ITAを発行する必要はないかもしれません。バックログとなっている申請があまり無ければ、移民局はより多くの抽選を行い、より多くのITAを発行することになるでしょう。
移民局の政策目標
カナダ移民局は、国の経済を強化するために、カナダへの新規移住者を招致する使命を持っています。これには、エクスプレスエントリーを通じての新規永住権取得者数の目標が含まれます。移民大臣は、国のニーズに合わせてITAを発行する戦略を考える必要があります。誰にITAを発給するかを決めるには時間と検討が必要で、それを検討するため、エクスプレスエントリーのドローイングが時折中断されることがあります。
CRSとエクスプレスエントリーのプロファイルの変更
CRSのポイント割り当て方法の変更も影響を与える可能性があります。例えば、2020年のフランス語能力へのポイント数の増加、2022年のTEERシステムの導入などが挙げられます。こういった変更があると、ドローイングの中断の原因となります。
移民局システムのテクニカルな問題
エクスプレスエントリーに関連するテクニカルな問題も考慮する必要があります。直近では11月29日に、プロフィールビルダーの不具合やNOCシステムの更新に関連する問題が発生しています。少し前には、2022年11月23日から2023年1月11日までの間、NOCシステムの更新に関連する技術的な問題が発生したため、エクスプレスエントリードローイングは行われませんでした。この不具合により、一部の不適格な登録者にITAが発行されました。このような不具合が発生した場合、移民局は問題が解決するまでドローイングを保留することがあります。
移民局のスタッフの変更
移民局のスタッフの異動も考慮すべき要因です。新しい職員が配置されるまでには時間がかかります。最近移民副大臣は、移民局の組織をビジネスラインに基づいて再編成することを提言し、その一部を反映した人員配置変更を行なっていると述べました。
まとめ
これらの要因から、エクスプレスエントリーのドローイングのタイミングや頻度は、従来の予測が難しくなっています。移民局は状況を見極めながら、国の政策目標に合わせて適切なタイミングでドローイングを行っていくことが予想されます。
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