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2024年10月3日、カナダ移民局(IRCC)は企業内転勤者就労ビザ(Intra-Company Transfer: ICT)に関するガイダンスを更新しました。この変更により、雇用主が多国籍企業であることや、従業員が専門知識を有していることなどが強調されました。
International Mobility Program(IMP)とは
IMPは、雇用主がLMIA就労ビザを申請せずに、企業内転勤を利用して外国人の就労ビザを取得することができるプログラムです。LMIA就労ビザは、外国人労働者の雇用がカナダの労働市場に中立またはプラスの影響を与えることを確認するために実施されます。通常は労力と時間を要する手続きですが、IMPではこのプロセスを省略できます。
企業内転勤者の要件厳格化
更新されたガイダンスでは、ICTを申請する外国企業が既存の多国籍企業(MNC)として適格であることを確認するよう求めています。審査官は、その企業がカナダで企業を設立する前に、「少なくとも2カ国で収益を生み出す事業を行っている」ことを確認しなければなりません。
その他の更新は以下の通りです。
- 「専門知識」の定義の明確化、申請者が専門知識を有するかどうかの評価方法、および職務が専門知識を必要とするかどうかの評価方法
- ICTにおける外国人の資格基準の明確化
- ICTに関する説明の1ページへの統合
ガイダンスはまた、ICTを、企業の一般労働力をカナダ国内の関連企業に移転する手段として使用すべきではないことを強化しました。
IMP関連の自由貿易協定
さらに、今回の更新ではIMPに関連する以下の自由貿易協定についても、審査官向けのガイダンスが更新されました。
- カナダ-米国-メキシコ協定(CUSMA)
- カナダ-韓国自由貿易協定
- カナダ-ペルー自由貿易協定
- カナダ-コロンビア自由貿易協定
- カナダ-チリ自由貿易協定
- カナダ-欧州連合 包括的経済貿易協定(CETA)
- カナダ-英国貿易継続協定
- 環太平洋パートナーシップに関する包括的および進歩的協定(CPTPP)
日本もこのCPTPPに含まれており、これに基づくガイダンスも更新されています。また同日、カナダ移民局はGCMSへの情報入力に関するガイドラインも更新しました。
今後の影響と改革の背景
今回のガイダンス更新は、カナダ移民局が進めている外国人向けビザプログラムの縮小の一環として行われました。特に、カナダの一時滞在者の割合を減らすことが大きな目標とされています。マーク・ミラー移民大臣は、今後3年間でカナダの人口に占める一時滞在者の割合を6.5%から5%に引き下げる方針を発表しており、企業内転勤者ビザに関する厳格化もその一環とされています。
9月18日にはミラー大臣が、今後3年間で学生ビザ、ポストグラデュエートビザ(PGWP)、配偶者就労ビザの数を大幅に削減する措置も発表しています。
加えて、LMIAベースの就労ビザにもとづく就労ビザプログラム(TFWP)も精査の対象となっていて、9月26日には、失業率が6%を超える国勢調査大都市圏でのLow Wage Positionに対するLMIA申請の停止が発表されており、カナダ政府は外国人労働者の受け入れに対する規制を強化する発表もありました。
11月1日に発表される予定である「2025-2027移民受け入れ計画(Immigration Levels Plan)」は、過去初めて、短期滞在者も含めた計画を発表する予定です。
移民コンサルタントからひと言
近年、中小規模の企業でもICTを検討するケースが増えてきていましたが、先日のLMIAの大幅制限もあり、企業内転勤就労ビザ(ICT)での就労ビザ取得を検討する方がさらに急増しています。本来の「企業内転勤」の主旨に沿ったものではなく、ビザを取得するために「転勤と言う形に見えるようにする」という方も、中にはいるようで、移民局はそこを取り締まるべく、今回、ICTの要件をより厳しくしたものと考えられます。
日本でご自身や家族が会社を経営しているので、カナダにも拠点を作って転勤と言う形にしよう、ということは、もはやできなくなりました。日本のほかに少なくとももうひとつの別の国に拠点があり、どちらでも収益を上げている企業でなければなりません。
ビザJPカナダでは、企業内転勤者就労ビザ(ICT)や起業での就労ビザのご相談や代理申請を行っております。ご検討中の方はぜひ弊社までご連絡ください。
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