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カナダ・デジタルノマド制度に新指針|IRCCが必要書類を明確化

投稿日:2026年6月10日

更新日:2026年6月10日

カナダ移民局(IRCC)は、2026年5月26日付で、審査官向けの最新ガイダンス「Temporary Residents: Digital Nomads(一時滞在者:デジタルノマド)」を公開しました。

今回の改訂では、デジタルノマドとしてカナダに滞在する際の要件や、入国時に求められる証明書類について、これまで以上に具体的な説明が追加されています。制度を適切に利用するための実務的な注意点を整理しました。

デジタルノマドとは?ビジターステータスでのリモートワーク

デジタルノマドとは、インターネット環境があれば世界中のどこからでも仕事ができる人を指します。カナダでは、以下のようなケースに該当する場合、就労ビザ(Work Permit)を取得することなく、ビジターステータス(Visitor)として滞在しながらリモートワークを行うことが可能です。

  • カナダ国外の雇用主のためにリモートワークを行う場合
  • 自営業者として、カナダ国外のクライアントのみにサービスを提供する場合

通常、ビジターステータスで認められる滞在期間は最長6ヶ月です。

外国企業のためのリモートワークは「カナダでの就労」ではない

IRCCは今回のガイダンスの中で、外国の雇用主のために行うリモートワークは、カナダの労働市場への参入には該当しないことを改めて明確にしました。

そのため、外国企業に雇用されている人や、海外の顧客を対象に事業を行っている自営業者は、ビジターとしてカナダに滞在しながら仕事を続けることができます。

一方で、カナダ国内の雇用主のために働く場合は注意が必要です。移民・難民保護法(IRPR)第186条に基づく就労許可免除の対象とならない限り、勤務開始前に就労ビザを取得しなければなりません。

今回の改訂で何が変わったのか?「十分な書類提出」の明記 

これまでのガイダンスでは、デジタルノマドについて「追加の書類は不要」とする趣旨の記載がありました。

しかし、今回の更新では、申請者は収入源がすべてカナダ国外にあることを証明する十分な書類を提出しなければならないと明記されています。具体的には、以下のような書類の提示を求められる可能性があります。

収入や就労形態を証明する書類の例

  • 外国の雇用主からの雇用証明書
  • 雇用契約書
  • 外国の雇用主が発行した給与明細書
  • サービス契約書や販売契約書
  • 請求書(Invoice)
  • 海外の事業登録書類
  • 外国の所得税関連書類
  • 銀行取引明細書
就労形態求められる可能性がある証明書類
外国企業に雇用されている場合外国の雇用主からの雇用証明書、雇用契約書、給与明細書
自営業・フリーランスの場合サービス契約書、販売契約書、請求書(Invoice)、海外の事業登録書類
共通して必要な財務・税務書類外国の所得税関連書類、銀行取引明細書(Bank Statements)

これらの書類を通じて、以下の点を説明できることが重要になります。

  • 収入がカナダ国外から得られていること
  • 外国の雇用主のために働いていること
  • 自営業の場合は、顧客がカナダ国外に限定されていること

『デジタルノマドだからパスポートだけで入国できるだろう』という甘い認識は通用しなくなりました。今後は入国審査の段階で、リモートワークの実態や国外収入を証明する書類の提示を求められるケースが増えると予想されます。事前の書面準備が不可欠です。

デジタルノマドも「ビジター」の要件を満たす必要がある

IRCCは、デジタルノマドも通常のビジターと同様、一般的な入国要件を満たさなければならないとしています。

申請時や入国時には、以下の事項について説明を求められる場合があります。

  • カナダの労働市場に参入しないこと
  • 滞在中の生活費を賄う十分な資金を有していること
  • 許可された滞在期間終了後にカナダを出国する意思があること
  • 健康上・犯罪歴上の問題により入国不許可とならないこと

滞在延長を希望する場合は「Visitor Record」が必要

当初認められた滞在期間を超えてカナダに滞在したい場合は、Visitor Recordを申請する必要があります。ビジターとしての滞在期間が自動的に延長されるわけではないため、引き続きカナダに滞在したい場合は、期限前に適切な手続きを行うことが重要です。

【家族同伴の注意点】同行家族は「個別に」ビザ申請が必要 

今回のガイダンスでは、デジタルノマドに同行する家族についても説明が追加されました。配偶者や子どもがいる場合でも、家族に就労や就学の権利が自動的に付与されるわけではありません。

家族それぞれが、その目的に応じて以下を個別にビザ申請する必要があります。

  • 訪問者(Visitor)
  • 学生(Student)
  • 労働者(Worker)

また、カナダで就学・就労を希望する場合には、適切な学生ビザ(Study Permit)や就労ビザ(Work Permit)の取得が必要です。

お子様を現地の学校に通わせたい、あるいは配偶者様もカナダ国内で働きたいという場合は、デジタルノマドの枠組みとは別に、Study PermitやWork Permitを組み合わせた『家族全体のビザ戦略』を立てる必要があります。ご家族での長期滞在を円滑に進めるための最適なプランを私たちがご提案します。

【見落とし厳禁】183日以上の滞在に伴う「税務面」のリスク 

デジタルノマドとしてカナダに滞在する際には、移民法だけでなく税務上の取り扱いにも注意が必要です。

一般的に、以下のような場合には、カナダの税務上の居住者と判断される可能性があります。

  • 暦年中に183日以上カナダに滞在した場合
  • 長期賃貸契約や子どもの就学など、カナダとの重要な居住上のつながりを持った場合
  • 外国企業のために働いていても、実質的にカナダを拠点として生活している場合

カナダ税務局(CRA)によって税務上の居住者と判断された場合、カナダでの確定申告や、全世界所得に対する納税義務が生じる可能性があります。

また、母国とカナダの双方で税務上の居住者とみなされる場合には、租税条約に基づく「タイブレークルール」が適用されることがあります。

税務上の判断は個別事情によって大きく異なるため、長期滞在を予定している方は、事前に税務専門家へ相談することをおすすめします。

まとめ

今回のIRCCによるガイダンス改訂により、カナダにおけるデジタルノマド制度そのものが変更されたわけではありません。

しかし、これまで以上に、

  • カナダの労働市場に参入しないこと
  • 収入源がカナダ国外にあること
  • 滞在中の経済的自立が可能であること

を、書類を通じて明確に示すことが求められるようになりました。

カナダは、柔軟な働き方をする外国人に門戸を開いています。一方で、その制度を適切に利用するためには、移民法上のルールだけでなく、滞在期間や税務上の義務についても十分に理解しておくことが重要です。

デジタルノマドとしてカナダでの滞在を検討している方は、必要書類を事前に準備し、ご自身の状況に応じた適切なアドバイスを専門家から受けることをおすすめします。

このニュースはカナダ移民局(IRCC)の公式情報を元にビザJPカナダが内容を整理し、わかりやすくまとめたものです。
出典:Digital nomads(英語)

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