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投資移民、起業移民カテゴリーの廃止

未処理に苦しめられ、非効率である投資家、そして起業家プログラムを政府が廃絶しようとしています。

 

カナダの移民局大臣クリス・アレクサンダーは、Economic Action Plan (EAP) 2014の中で、より早い、
フレキシブルな移民システムを築く事が、カナダの長期的な繁栄に本当の貢献をすると言っています。

 

EAP2014は、政府が投資移民 – Federal Immigrant Investor Program (IIP)および起業移民 – Federal Entrepreneur (EN) Programの両カテゴリーを打ち切る意向であり、溜まりに溜まった申請書の未処理を失くし、カナダの労働市場と経済のニーズに本当に貢献できるプログラムを開拓する意向である事を発表しました。
現行の投資移民カテゴリーは、カナダにとって限られた経済効果しかもたらしていません。
グローバル経済は、投資移民カテゴリーが30年前に作られてから、大きく変化してきています。
投資資本は国境を越えてますます自由に流れ、利子も低くなっており、他国では既に、移民プログラムで、
投資額や必要要件を増やして対応済みです。
現行の投資移民カテゴリーではカナダは80万ドルの投資額で、永住権を保障しています。

 

また、既存の投資移民カテゴリーがカナダにもたらす経済の恩恵は限られたもので、
現在カナダに入ってくるお金は微々たるものです。
このプログラムを通して行なわれた初期投資の殆どは、カナダ国内の銀行を使って州政府から借りたものです。

 

その上、州が投資額の払い戻しをする期限が5年後までなので、州がよりハイリスクな投資を行って、
本当の意味での改革をして新たな職を作り出し、より大きな利益をカナダにもたらすという上では、限度があります。
州や準州が投資を行なって15年後経つ頃には、元の額の半分以下しか活発に投資されていません。
同様に、起業移民は、1970年代、カナダ経済の優先順位が昨今とは全く違っていた時に、作られたものです。
その頃は、焦点はカナダ国内の職を守る事にありました。それは今でも重要なのですが、よりグローバル化された経済が、
革新と、生産性と、より良い仕事を作り出し、ビジネスを強くしてグローバル規模で生き残れるように移っていくという事が
要求されてきています。

 

この動きに伴い、移民局はスタートアップビザを2013年4月に開始しました。
これは、新しい事業のアイディアを持つ、頭の切れる企業家たちを世界中から引き付けるように作られたものです。

 

また、最近の調査では、全移民カテゴリー内で、投資移民が、カナダの公用語の能力に関しては一番低い、
という結果が出ています。公用語の能力は移民がカナダに適応する際に大きなカギとなる要因です。
また、この調査結果では投資移民は他の移民に比べてカナダに長期間留まる傾向にないという事、
同じ国からの他の移民達との交わりが薄いという結果が出ました。

 

そして、投資移民は、他の経済移民に比べて少ない税金を払っている事も分かりました。
投資移民カテゴリーと起業移民カテゴリーをなくす事(引いてはその事により、関連する溜まった未処理の申請書をなくす事)により、政府は経験あるビジネス関係者を引き付けることにより専念でき、カナダの経済に出来る限りの効果をもたらす
投資資本を集めることに集中が出来るとしています。

 

政府はこれらのプログラムの代わりに、移民がカナダ経済に意味がある経済効果をもたらす事が出来る、
より効果が高いパイロットプログラムを取り入れます。これは、移民局のスタートアップビザにより注目を集め、
カナダがグローバル経済に遅れずについていく事を可能にします。
新しいパイロットプログラムの詳細は数ヶ月後に発表されます。

豆知識

投資移民プログラムの下、カナダは80万ドルを投資移民から借りる事(2010年以前はこの額は40万ドル)と引き換えに、
永住権を保障しています。イギリス、オーストラリアやニュージーランドでは、500万~1000万ドルであり、
前もって永住権は保証していません。
20年以上の職歴で、投資移民1人はスキルドワーカ―1人より所得税を約20万ドル少なく納め、
リブインケアギバー1人よりほぼ10万ドル少なく納めています。

現時点で投資移民カテゴリーは6万5千人の未審査の申請者を抱え、他のどの経済移民プログラムよりも多くなっています。
現在の処理レベルでは、この分の審査が終わるまででも6年以上かかってしまうと予測されています。

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