2025年6月3日、カナダ政府はこのたび、新たな法案「強固な国境法（Strong Borders Act）」を発表し、国境管理の強化と市民の安全確保を念頭においた、移民・難民制度の健全性を守るための法的枠組みを強化する姿勢を示しました。
この法案は、CBSA（カナダ国境サービス庁）への人員や権限を強化し、国境強化計画を遂行するためのもので、その中には、移民・ビザ関連も含まれています。移民制度を悪用する行為や急増する難民申請に対応すると同時に、国民のプライバシーやチャーター権（権利と自由の憲章）を尊重しつつ、適正で公平な制度運用を目指しています。

1. 難民申請制度の強化と柔軟化

• 急激な申請数の増加に対応するための新たな申請不適格要件を導入。
• 難民申請の受付・審査・判断のプロセス改善により、迅速かつ的確な判断を可能に。
• カナダ政府は、これに関連し5年間で約7億4,350万ドルの予算を投入する予定です。

2. 書類・ステータス管理の厳格化

• 不正や虚偽に基づいたビザ申請を防止するため、ビザ関連書類の取り消し・停止・変更に関する権限を強化。
• 状況に応じて、新規申請の受付停止なども可能に。

3. 情報共有体制の強化

• カナダ移民局（IRCC）と他の連邦・州・準州機関との情報共有を促進し、不正の早期発見と制度の透明性を確保。

レナ・メトレージ・ディアブ移民大臣は「カナダは、増加する移民・難民申請に対応するため、制度の強化と柔軟性の向上に取り組んでいます。今回の法案は、制度の健全性と信頼性を守りながら、より強く、持続可能なカナダを築くための一歩です。」とコメントしました。

本法案は、カナダの移民・難民制度における不正防止と運用効率の向上を目的としていますが、真に支援が必要な申請者への公平な対応も重視されています。
政府はこの制度強化を通じて、公正かつ安全な移民制度の維持と、カナダ社会への円滑な統合支援を引き続き進めていく方針です。

今後、制度の改正や審査基準の見直しによって、手続き内容や必要書類が変更される可能性があります。そのため、移民・ビザの申請をお考えの方は、最新の情報を把握しながら、専門家のサポートを受けることが重要です。

ビザJPカナダでは、各種ビザ申請や永住権取得に関するご相談を受け付けております。制度変更の影響や最適な申請タイミングについて知りたい方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。