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ビザなし渡航が可能となる eTAプログラムにフィリピンなど新たな13カ国を追加

投稿日:2023年6月12日

更新日:2024年4月17日


こちらの記事は動画でも解説しています

2023年6月6日発表 -カナダ移民局ニュース

ショーン・フレーザー移民大臣は、電子渡航認証(eTA:electronic travel authorization)プログラムに新たな13カ国を追加することを発表しました。

eTAとは?】
カナダ入国の際、事前に申請許可されたビザがなくても入国できるとされている国は、日本を含め現在50カ国以上あります。それら外国籍の人がカナダに空路で入国する場合に必要となるのが電子渡航認証(eTA)です。eTAはオンラインで申請します。パスポートに電子的にリンクされ、有効期間は最長5年間、またはそのパスポートの有効期限までです。
※アメリカ国籍の方は、就労や就学のためにカナダに移住する場合を除き、カナダへの入国にeTAもビザも必要ありません。

 
カナダ移民局(IRCC)は、渡航前審査のプロセスをより簡単、迅速、かつコスト負担を減らすことに取り組んできました。今回のeTA渡航可能国の追加決定により、カナダ移民局はビザ申請をより効率的に処理できるようになります。

eTA渡航可能国の追加は、近年では2017年にブラジルを対象に導入されています。移民大臣によると、その後ブラジルからの訪問者が40%増加。さらにサンパウロにあるカナダ移民局のビザ審査オフィスの処理件数が60%減り、そこの職員が永住権申請などより複雑な申請業務に取り組むことができるようになったとのことです。

追加されたeTA渡航可能国と条件

以下の13カ国のパスポートをお持ちの方は、一時滞在ビザ(Temporary Resident Visa =TRV)無しで、カナダへ空路で渡航できるようになりました。

eTAで渡航できる条件

対象13カ国の国籍(パスポート)保持者で、カナダに短期滞在(通常6カ月以内)を目的として渡航する旅行者が対象です。さらに、過去10年間にカナダのビザを取得している、または、現在有効な米国の非移民ビザを保持している人に限られます。

対象13カ国

  • フィリピン
  • モロッコ
  • パナマ
  • アンティグア・バーブーダ
  • セントクリストファー・ネイビス
  • セントルシア
  • セントビンセントおよびグレナディーン諸島
  • トリニダード・トバゴ
  • アルゼンチン
  • コスタリカ
  • ウルグアイ
  • セイシェル
  • タイ

eTA渡航可能国の対象とならない場合

一時滞在ビザ(Temporary Resident Visa =TRV)

ビザ取得が免除されない国の国籍保持者は、「ビジタービザ」として知られる一時滞在ビザ(TRV)を事前に申請する必要があります。TRVは、通常6ヶ月間までのカナダ滞在を許可します(ただし、これは個々で異なる場合があります)。

TRVでカナダに入国しても、カナダでの就労や就学が許可されるわけではなく、入国時にカナダへの訪問目的が一時的なものであること(観光や家族訪問など)を証明するよう求められることがあります。

TRVの発給状況

移民局は現在、TRV申請のバックログ(未処理案件)を抱えています。移民局の最新のバックログデータによると、TRV申請の50%がサービス基準である14日以内で処理されていないことが判明しています。

フレーザー移民大臣は、TRV申請がカナダ公務員による最近のストライキの影響を受けていると述べています。ストライキは4月19日から5月1日までの12日間行われ、大臣は記者団に対し、その間に処理されたはずの10万件の申請書に影響があったと述べました。また、移民局は今後数週間から数ヶ月のうちにパンデミック前の処理水準に追いつくことができるだろうとの見通しを示しました。

関係者や国会議員のコメント

◆ ショーン・フレーザー移民大臣

「このエキサイティングな取り組みは、世界中のより多くの人々が、事前ビザ申請のハードルなしにカナダを訪問し、カナダで忘れられない経験をし、多様な風景を探索し、家族や友人と再会し、活気ある文化に触れることができるようになります。対象国の拡大は、旅行者の利便性を高めるだけでなく、旅行、観光、経済効果を高め、これらの13カ国との国をまたいでの絆を強化するものです。」

◆ メラニー・ジョリー外務大臣

「カナダは、世界中の多くの人々から選ばれる旅行先です。ビジネス、観光、家族や友人との再会など、多くの人々がカナダを訪れることができるよう、より利用しやすいシステム作りに取り組んでいます。eTAプログラムをフィリピンなどの国に拡大することは、私たちのインド太平洋戦略の重要な一部でもあります。この地域との関係を強化し、人と人とのつながりを築き、すべての人にとってカナダへの旅行をより利用しやすく、迅速、安全にすることを目指します。」

◆ ランディ・ボワゾノー観光大臣兼財務副大臣

「カナダは世界が求めるものを持っており、私たちは皆さんが再び私たちの国に戻ってくるのを楽しみにしています。カナダのeTAプログラムを拡大することは、観光産業が新たな高みへと飛躍するための大きな一歩となります。海外からの旅行者の入国手続きを合理化することで、カナダはビジネスやアドベンチャー、忘れられない体験を求める人々に開かれているという強いメッセージを発信しています。この戦略的な動きは、地域社会に活力を与え、数え切れないほどの雇用機会を創出することで、観光経済を支えています。単に観光客を呼び込むだけでなく、カナダの特徴である息を呑むような風景、多様な文化、温かいおもてなしを紹介することが重要です。この機会を捉えて、世界の観光地図にカナダをしっかりと位置づけ、すべての人のために働く経済を築き上げましょう。」

◆ リサ・ピアス(エア・カナダ・バケーションズ グローバルセールス担当副社長)

「エア・カナダ航空は、本日発表された、カナダへの旅行やエア・カナダの世界的なハブ空港を経由しての乗り継ぎに必要な認可を得るための、より使いやすいプロセスが導入されたことを喜ばしく思っています。旅行・観光の世界市場は競争が激しく、旅行者がより簡単に旅行者として入国認可を取得できる方法があることは、エア・カナダだけでなく、カナダの旅行・観光業界全体にとって有益です。」

◆ タマラ・ヴルマン(バンクーバー国際空港公団 社長兼CEO)

「ビザなし渡航の拡大は、バンクーバー国際空港にとって、中南米やアジアの主要な目的地を含む、より多くの国々とつながる機会となります。グローバル市場へのアクセス強化は、私たちのコミュニティに素晴らしい利益をもたらし、地域の経済成長をサポートすることになるでしょう。この断固とした政策行動は、バンクーバー、ブリティッシュコロンビア州、そしてカナダにとって正しい方向への一歩となります。カナダにおける世界クラスの観光体験を楽しんだり、愛する人と再会したりする機会を人々に提供し続け、新しい雇用を創出し、地域経済により多くの直接的な利益をもたらすでしょう。」

◆ ケビン・ラムルー(ウィニペグ北地区国会議員)

「この発表によってもたらされる経済的・社会的利益は、否定できないものです。観光客の増加は、より多くの家族や友人が集まることを意味し、地元企業、ホテル、レストラン、そして海外からの訪問者によって繁栄する様々な産業への後押しとなります。カナダへの旅行をより身近なものにすることで、多くの相乗効果、貿易、投資の機会を増やし、経済を活性化し、マニトバの人々やカナダ人のために雇用を創出することができるのです。」

◆ テリー・デュグイード(ウィニペグ南部議会議員)

「eTAプログラムの拡充は、多様なグローバルビジターへの扉を開き、文化交流を促進し、かつてないほど観光を促進します。今回の拡大により、ウィニペグ南部の素晴らしさを探求し、活気あるコミュニティを体験し、豊かな文化遺産に浸る、より多くの熱心な旅行者を歓迎することができます。」

◆ レキ・バルデス(ミシサガ・ストリーツビル市議会議員)

「このエキサイティングな取り組みにより、世界中から数え切れないほどの人々が、私たちの偉大な国を効率的かつ手頃な価格で訪れることができるようになります。ビザが不要になることで、観光客を歓迎し、家族がより簡単にカナダで再会することができるようになります。フィリピン系カナダ人としての誇りをもって、私はeTAの対象がフィリピンにまで拡大されたことに感激しています。この新しい発表により、私たちはフィリピン人コミュニティを盛り上げ、より緊密な関係を育み、多様性を受け入れ、将来の成長と協力の新しい地平を切り開くことができます。」

Quick Facts – 概要

  • eTAは、ビザを免除された旅行者のほとんどが、カナダに空路で入国したりカナダの空港で乗り継ぎする際に必要となる電子渡航書です。
  • eTAは、カナダ当局が空路での旅行者の渡航前審査を行う際に使用されます。申請には7カナダドルが必要で、ほとんどの申請は数分以内に自動的に承認されます。
  • eTAの申請には、有効なパスポート、クレジットカード、電子メールアドレス、インターネットへのアクセスなどが必要です。
  • 2015年8月1日にeTAプログラムが導入されて以来、約2,090万件のeTAが発行されています。
  • カナダ移民局は2017年4月に初めてeTAプログラムを拡大し、ブラジル、ブルガリア、ルーマニアを対象に含めました。
  • 今後1年以内に、カナダがこれら13カ国から20万人(または20%)以上の旅行者を受け入れると予想されています。また、これらの国々からの旅行者が増えることで、今後10年以内に、約1億6千万ドルの観光収入が追加されると予想されています。

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