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カナダビザニュース
外国人労働者の保護に関する改正
外国人労働者の権利や労働環境を守り、Temporary Foreign Worker Program(一時外国人労働者プログラム)の公正を保つことを主旨にした法規制の改定がありました。同時に、法遵守の整合性をとるための改定も含まれています。
就労ビザで働く外国人労働者との雇用契約書提示
今回の法改正により、カナダ移民局(IRCC)、労働省(ESDC)、および就労ビザで働く外国人労働者すべてが、雇用条件に関して共通の情報を得られる状況になりました。
就労ビザで働く外国人を雇用する場合、その雇用主はLMIAの申請を提出する際に、雇いたい外国人者との雇用契約書を作成しなくてはならなくなりました。そして雇用主は、就労の初日までに、署名入りの雇用契約書のコピーを外国人労働者に提供しなければなりません。LMIA免除で就労ビザを取得する場合にも、雇用主には同様の条件が適用されます。雇用主は、雇用主ポータルでジョブオファーを提出する際に、その外国人労働者にすでに雇用契約書を提供したことを証明する必要があります。
またその雇用契約の内容は、ジョブオファーの内容と一致していなければなりません(同じ職業、同じ賃金、同じ労働条件)。雇用契約書はカナダの公用語である英語、またはフランス語のどちらかで作成され、雇用主と外国人労働者の両方が署名しなければなりません。
「虐待」の定義に外国人労働者に対する「報復」を含むよう改正
これまで事業主の義務として、雇用主は外国人労働者に虐待のない職場を提供するために適正な努力をすると定められていました。今回の改正では、この”虐待 “の定義が更新され、その中に”報復 “を含むことが直接的に言及されました。
雇用主による手数料の請求または徴収の禁止
この改正は、就労ビザ申請者(労働者)がその職を得るため、採用に関連する費用を支払うべきではない、という原則に対応するものです。
本改正により、雇用主が以下の料金を請求または徴収することを禁止します。
- LMIA申請に関連するサービス提供のための手数料
- 雇用主コンプライアンスフフィー
- 人材紹介に関連する手数料
移民局に申請する就労ビザに関連する手数料については、引き続き就労ビザ申請者(外国人労働者)本人が支払うことになります。
これらの改正は、雇用期間中だけでなく、雇用開始前の期間にも適用されます。
医療サービスへのアクセス
就労ビザで働く外国人を雇うすべての雇用主は、外国人労働者が職場で負傷または病気になった場合、医療サービスを利用できるよう努力をすることが求められるようになりました。例えば、以下が含まれます。
- 外国人労働者が緊急サービスを呼び出すための電話を確保すること
- 病院、診療所、または医師への交通手段を手配する(ただし、費用は負担しない)
また、雇用主は、就労ビザで働く労働者が州の健康保険制度でカバーされない期間、医療費をカバーする民間健康保険に加入し、支払いを行う必要があります。
プログラムを保護するための修正事項
第三者への書類提出の要求権限
カナダ移民局(IRCC)と労働省(ESDC)は、雇用主の規制条件遵守に関連するあらゆる書類の提出を、雇用主や労働者の同意なしに第三者に要求する権限を有するようになりました。第三者の例としては、銀行や給与計算会社などが挙げられます。
労働省によるLMIAの申請手続きの一時停止
労働省(ESDC)は、雇用主が以下の条件の1つ以上に従っていない場合や、外国人労働者の健康または安全が危険にさらされると疑う理由がある場合、LMIA申請の処理を一時停止する権限を有するようになりました。
- 雇用主は、ジョブオファー内容に則した事業に関して積極的に従事していなければならない
- 雇用主は、外国人労働者に、ジョブオファー内容に定められた労働条件と実質的に同じ(かつそれよりも不利でない)労働条件を提供しなければならない
- 雇用主は、虐待のない職場を提供するために適正な努力をしなければならない
- 雇用主は、COVID-19関連の条件を遵守しなければならない
LMIAを申請する雇用主に対する新たな評価要件
この改正は、過去6年間に就労ビザで外国人労働者を雇用したことがない雇用主に適用されます。
労働省(ESDC)は、LMIA申請日の2年前からLMIAが発給される日までの期間中の雇用主の雇用状況について、以下について評価することが義務づけられました。
- 虐待のない職場を提供するために適正な努力をしているかどうか
- 本プログラムに不適格である、または行政処罰を受けた雇用主の関連会社でないかどうか
一部のLMIA評価基準を必須の要件に
労働省(ESDC)のLMIA審査では、外国人労働者の雇用がカナダの労働市場に中立またはプラスの影響を与えるものであるかどうかを判断するために、7つの異なる評価要素があります。従来の規定では、これらの7つの要素は、総合的な評価の一部として等しく考慮されていました。つまり、この7つの要素のうち、1つ以上の要素を満たさない場合でも、即LMIAを却下されることはありませんでした。
今回の改正で労働省(ESDC)は、LMIA評価基準のうち以下の2つの要素については単体で評価されるように変更されました。
- ジョブのオファーに記載されている賃金が、その職業の一般的な賃金相場と一致しているかどうか
- 外国人労働者の雇用が、労働争議の解決または争議関係者の雇用に悪影響を及ぼす可能性があるかどうか
他の要素は引き続き総合的に評価されますが、この2つの要素については合格か不合格かで評価されます。他の5つの要因の評価にかかわらず、これら2つの要素は必須要件となり、雇用主がポジティブLMIAを取得するためには、この2つは必ず満たさなければなりません。
整合性に関わる調整事項
雇用または求人募集を規制する州の法律への準拠
一部の州は、外国人労働者を求人、または雇用する前に、州に登録することを雇用主に義務付けています。さらに、一部の管轄区域では、人材採用の資格取得を人材リクルーターに対して義務付けているところもあります。
この新しい改正は、外国人労働者が働く州において、特に外国人労働者に関連する法律を含め、州の雇用および募集に関するすべて法律が遵守されるべきであることを明確にするものです。
移民法における雇用主のコンプライアンスレビューに関するセクションの廃止
2019年以降、労働省(ESDC)とカナダ移民局(IRCC)は、雇用主コンプライアンス監査をしていません。これは、査察当局の方が雇用主のコンプライアンス違反の発見に効果的であるという状況があったためです。今回の改正により、雇用主コンプライアンスレビューの規定が正式に廃止されます。
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