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2024年5月10日、カナダの移民担当閣僚会議(FMRI)が開催され、2025年から2027年にかけての移民受け入れ計画について話し合われました。この会議の内容を解説することで、今後のビザや永住権の見通しがわかりますので、ここでは、会議で議論された主要なポイントをご紹介します。
連邦政府と各州・準州との連携
カナダの連邦政府および各州・準州の移民担当閣僚は、移民受け入れの経済的・社会的効果や永住者および一次滞在者の人数、コミュニティに与えるプレッシャーについて議論しました。新移民を都市部に集中させず、カナダ全土に分配するためには、適切な移民制度が不可欠であることを強調しました。州・準州の大臣は、連邦政府に対し、雇用サービスへの予算削減撤回を求めるとともに、各州ノミネーションプログラム(PNP)を含む連邦、州、準州の移民プログラムを活用するためには、連邦と州政府の協力と調整の重要性を強調しました。
連邦、州、準州の移民プログラムは、引き続き地域の労働市場のニーズに対応し、カナダ全土で経済的、文化的、社会的目標を達成するために必要だとの認識を再確認しました。
一次滞在者を減らす政策
閣僚は、一時滞在者と永住権保持者の受け入れのバランスを取ることの重要性について議論しました。連邦政府は、一時滞在者を移民受け入れ計画(Immigration Level Plan)に含め、一時滞在者の人口をカナダ総人口の5%まで減少させる意向を示しました。各州の大臣は、地域の移民優先事項や労働市場のニーズに合わせた一時滞在者の役割を認識しつつも、その削減が戦略的に行われる必要があると強調しました。
一時滞在者には、就労ビザ、学生ビザ、難民亡命申請者が含まれます。閣僚は、一時滞在者と、経済や労働市場のニーズ、ケベック州以外のフランス語圏のコミュニティの活力強化など、地域の移民優先事項との関連について検討しました。永住者と同様、一時滞在者もカナダ全土の繁栄、労働市場、文化的多様性に貢献する重要な役割を担っています。外国人労働者が貴重な役割を果たしている主要産業部門の労働ニーズを考慮し、一時滞在者全体の削減は戦略的に管理されなければなりません。閣僚は、データ主導のアプローチをとり、一時滞在者数の削減を目的とする最近の連邦措置の影響を監視することの重要性を強調しました。
閣僚は、留学生プログラム(ISP)の変更を含む、最近導入された連邦政府の施策について議論しました。また、特定分野における外国人労働者の戦略的利用を含め、短期的・長期的な地域の労働市場のニーズとのより良い整合性の必要性を強調し、連邦政府の既存の就労ビザプログラムの変更を認めました。また、カナダ人と永住権保持者優先に雇用機会がいきわたるような、セーフガードの重要性を強調しました。
難民受け入れの重要性を再確認
カナダは、世界的な紛争や自然災害、気候変動などに対応し、避難民の受け入れにおいて指導的な役割を果たしてきました。これには、アフガニスタン、ガザ、イラン、スーダン、シリア、トルコにおける危機への対応や、カナダ・ウクライナ緊急渡航認証(CUAET)プログラムの実施が含まれます。
閣僚は、カナダの人道的義務を果たし続けるため、難民制度の強化と連邦政府の支援強化を求めました。また、難民受け入れに伴う課題や圧力を軽減するために、政府間の早期意志疎通が重要であることを強調し、各政府の責任を明確に定義する必要性を強調しました。
各州ノミネーションプログラム(PNP)
各州ノミネーションプログラム(PNP)は、地域経済と労働市場のニーズを支援する上で重要な役割を担っています。州・準州の大臣は、移民受け入れ計画におけるPNPの割合の拡大と追加割り当ての拡大を求め、一部の閣僚は、一時滞在者数減少の政策の結果、より多くの就労ビザ保持者がPNPを申請する必要が出てくる可能性があると指摘しました。
PNPは一時滞在者が永住権を取得するためのプログラムとしての役割を強調し、これにより、カナダ全土での移民のバランスが取れることが期待されています。
移民大臣からの発表
会合閉会後の5月13日、移民大臣は「我々が話し合ったこと」として以下の点を強調しました。
- 移民の恩恵をカナダ全土に広げ続けつつ、地域社会のキャパシティを考慮した、一時滞在者の移民受け入れ計画の取り組み。
- フランス語圏の移民を強化。
- 各州ノミネーションプログラム(PNP)など、地域移民優先事項において一時滞在者が果たす重要な役割を認識しつつ、カナダの一時滞在者全体の数を減らす。
- 留学生がもたらす社会的、文化的、経済的貢献からカナダが引き続き恩恵を受けられるよう、留学生プログラムを改革し、その完全性を強化。
- 連邦政府の支援と政府間の緊密な協力を通じて、世界で最も弱い立場にある人々や家族、また亡命を求めてカナダにやってくる人々に安全な港を提供し続ける。我々は、亡命希望者をどのように支援するのが最善かについて、話し合う機会を持つことに合意。
- 労働市場のニーズを把握し、地域社会が新移民をサポートするためには、適切なデータを持つことが重要である。そのため私は、各管轄区域の新入国者人口、PNPにおける新入国者から公的職業への移行率、地域社会における能力的圧力に関するデータがあれば共有するよう、担当官に要請。
- 人道的危機に対するカナダの対応をよりよく管理するために、現在策定中の新しい連邦政策の枠組みや、管轄区域に影響を与える可能性のあるイニシアチブに関する早期の情報伝達。
- 需要のあるスキルを持つ外国人労働者を確保し、彼らの永住権への移行を支援する必要性と、カナダ人と既存の永住権保持者の雇用機会を保護する義務とのバランスをどう取るか。
移民コンサルタントからの見解
今回の会議の内容から、2025年以降のカナダ移民政策には以下の傾向が予想されます。
- 学生ビザ発給数が減る。
- 就労ビザ審査が厳しくなる。
- 雇用市場での人材不足な分野には積極的に移民を受け入れる。
- 地方都市で永住権申請がしやすく、都市部は難しい状況が続く。
そして、その傾向は今後しばらくの間続くかもしれません。これからカナダの永住を目指す方は、こういった政府の情勢をよく見て、永住権取得までの計画を練る必要がありますね。
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