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カナダ移民局ニュース
2022年4月4日 カナダ労働省発表
カナダの経済がCOVID-19 パンデミックの影響から順調に回復している中、2022年2月だけでも、337,000件もの新しい雇用が生まれ、失業率はパンデミック以降最も低い率となる5.5%まで下がりました。このようにカナダの経済が順調に回復している一方で、多くの雇用主が必要な人材を見つけられず苦労している現状もあります。カナダの経済成長を支えるためにも、カナダ政府は全ての分野において強固で回復力のある労働人口を確立することに重点を置き取り組んでいます。
TFWプログラム改定方針(Workforce Solutions Road Map)発表
この労働力不足の状況を受け労働大臣のCarla Qualtrough氏は、就労ビザ発行など、カナダで一時的に働く外国人をサポートするTemporary Foreign Worker (TFW) プログラムを活用した労働不足解消の戦略指針を、TFWプログラム改定方針(Workforce Solutions Road Map)として発表しました。この改定方針は、TFWプログラムを今日の労働市場ニーズに合うよう調整・改善し、外国人労働者を積極的にカナダ経済に参入させていくための今後の戦略的な指針となります。TFWプログラム改定の主旨は、労働力不足への対処、労働者保護の強化、そして、永住権パスウェイを含めた、現在そして将来のためのより強固な労働力人口を構築することにあります。
TFWプログラム改定方針
今回のTFWプログラム改定には、以下の5つの重要な方針変更が含まれており、数週間以内にはすべて施行される計画です。
2022年4月4日より施行される改定
- Labour Market Impact Assessments(LMIA)の有効期限が、現行の9ヶ月から18ヶ月に改定されます(COVID-19パンデミックの前はLMIA期限は6ヶ月でした)。
- High-wage(高賃金)カテゴリーと Global Talent Stream (GTS) カテゴリーの就労ビザの最長期間は、従来は2年でしたが、これが最長3年に延長されます。これにより、永住権への準備期間に余裕ができ、長期に渡って労働力に貢献できることになります。
- 魚介・シーフード加工業などを含む季節労働者のLMIAは、従来、全従業員数の10%の人数までという人数制限(CAP)がありましたが、これを撤廃します。さらに、これらの季節労働者の年間就労期間が最長180日から270日に延ばされ、就労ビザの審査期間は30日以内となります。
2022年4月30日より施行される改定
- Low-wage(低賃金)カテゴリーのLMIAは、従来、全従業員数の10%の人数までという人数制限(CAP)がありましたが、労働不足が顕著な7つの分野(宿泊・飲食サービス業など)において、30%の人数までLMIA就労ビザのもとで雇えるようになります。その他の分野の雇用主については、当分の間、全従業員数の20%の人数まで雇えるようになります。
- 失業率6%以上の地域においても、宿泊・飲食サービスや小売業の分野のポジションのLMIA申請ができるようになります。
カナダの労働力環境を健全に保つために
2020年時点、カナダの外国人労働者は全労働人口の0.4%を占めていました。今回発表されたTFW改定による変更は、カナダ国内の外国人労働力の割合を今後も適切なレベルに保っていくものです。カナダ政府は、今後もTFWプログラムでの外国人雇用を注意深く監視し、継続的に政策を見直すことで、労働市場からカナダ人を排除することなく、実際の労働力不足に対処できていることを確認していきます。現在、そして将来の強固なカナダの労働市場を築いていくために、引き続き幅広く取り組みを行っていきます。これには、技能訓練への賢明な投資、労働条件の改善、就労者保護の強化などが含まれます。
また、カナダ全域での雇用主が外国人労働者を適切なタイミングで雇用できるようにするため、労働省 /サービスカナダは人材を増やし、LMIA申請のプロセスを早めるための一連の対策を実施してきました。これには、ケベック州も含むすべての地域で人員増加を行うことも含まれます。審査期間を短縮するため、雇用主にはオンラインでLMIA申請を提出することも推奨されます。審査が短縮されても、労働者の安全の確保、労働市場を保護するための厳格なチェックは引き続き行われます。
TFWプログラムに関するすべての変更は、カナダ政府が継続して行っている就労者保護の強化に沿って行われるものです。改定の発表に伴い、Qualtrough労働大臣は2022年6月に初のTFWプログラム閣僚協議の公聴会を招集し、労働者、雇用主、及び地域社会にとってプログラムをより強力かつ効果的にする方法について、労働者代表とその利害関係も含めた関連各所から直接ヒアリングする公聴会(Roundtable)の開催計画を発表しました。COVID-19パンデミック中、雇用主が外国人労働者のための安全で適切な住宅を提供できる必要性が浮き彫りとなったことから、最初の公聴会では、住宅宿泊施設に焦点があてられます。この公聴会は、労働者の住宅問題の議題に関してすでに連邦、州、準州の当局者の間で現在進行中で話し合われているのワーキンググループの議論に基づいて執り行われます。2021年12月に報告された『What We Heard Report』の一環として、カナダ政府は労働者の健康と安全への懸念に対処するため、この分野の環境改善に取り組んでいます。
カナダ労働省によるTFWコンプライアンス再構築
カナダ労働省は、外国人労働者の保護強化のため、TFWコンプライアンス体制を再構築します。リスク基準による判断により、ハイリスクと認識される雇用環境を対象に、以下のような活動が継続して行われます。
- TFWインスペクションツール、及び必須トレーニングのさらなる強化
- 情報受付窓口(ホットライン)の活用により、TFWプログラムの乱用や誤用について労働者が政府に通報できる体制を提供する
- 領事館との協力拡大による、迅速な対応が必要な懸念事項の特定
カナダ政府は2021年の予算案で2021-22年度以降の3年間に4950万ドルを投資することを決定、新しい移民労働者支援プログラムを通じて、カナダ到着時のオリエンテーションサービスや緊急事態・危険な状況への対策支援など、移民労働者中心のプログラムやサービスを提供する地域社会に根付く組織をサポートする体制を整えています。
2021年7月、カナダ政府は カナダに滞在中の一時就労者の不当な雇用や虐待を防ぐため、またプログラム保全強化のための新規制案 Canada Gazette Part I を、暫定公表しました。これは現在も閣議進行中である、一時就労者に関する移民法 Immigration and Refugee Protection Regulations (Temporary Foreign Workers) に含まれる14の規制改正に関するもので、今夏後半には Canada Gazette Part II として最終公表が予定されています。
概要 –Quick facts
- TFWプログラム(一時外国人労働者プログラム)において、カナダの雇用主は、カナダ人や永住者が見つからない場合、外国人労働者を雇うことができます
- カナダの労働力不足はパンデミック前より厳しい状況となり、2021年度の第三四半期(7月~9月)の求人率は歴史的な高水準に達しました。カナダ統計局によると、2021年11月時点、以下の分野で特に深刻な労働不足な状態にあります。(数字は雇用が満たされていない求人数です)
– 宿泊・飲食サービス – 130,070件
– 医療(ヘルスケア)と社会福祉 – 119,590件
– 小売業 – 103,990件
– 製造業 – 81,775件
- 2021年にTFWプログラムで承認されたLMIA件数のうち、 Global Talent Stream (GTS) は約5000件、High-Wageストリームは約23,000件が含まれました。2つのストリームを合計すると、同年に承認されたLMIA件数の21%を占めます。
- 毎年、約5万~6万人の農業労働者がカナダにやってきます。TFWプログラム下でカナダに入国する外国人労働者の60%を占めます。
- カナダ労働省は2020年10月27日~12月20日の間に「雇用主が提供する滞在施設に関する最低条件について」の諮問受付を実施。州/準州政府、地方自治体、消防長、公衆衛生部門、雇用主、業界団体、労働組合、外国政府など、幅広い関係者から約150件の見解書面が寄せられました。これら移民労働者支援組織が代表となり寄せられた見解には、約675件の移民労働者の意見が反映されていました。
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