毎年、約1000人の永住権・短期ビザ(学生ビザ、就労ビザ、ビジタービザ)申請者が、健診結果を理由に申請却下という結果になっています。健診結果については、「カナダ人・カナダ永住者の健康や社会福祉を損なう可能性のある個人は国として受け入れない」というスタンスのもと、審査を行っています。年間約1000の却下ケースのうちの200~300人が、特殊教育の必要な子供のケースです。
移民局は、いかなる場合でも、健診結果を見て自動的に却下にするということはありません。申請者本人または同行家族が、他人に伝染する身体疾患や他人に危害を与える精神疾患と疑われる場合は再検査を要求し、そのうえでやはり該当だと認められた場合には却下になります。また、申請者本人または同行家族が、カナダでの年間基準値を超える医療・福祉費が必要であると予想される健康状態である場合にも、却下になります。2017年の基準値は、年間$6,655、5年間で$33,275でした。
この規定は、難民申請や、配偶者・コモンローパートナー・扶養の子供をスポンサーするファミリークラスの申請の場合には、緩和されます。また、多くの短期滞在者が社会福祉の対象ではないため、短期ビザ申請者が上記すべてに該当するわけではありません。上記の規定は、主に、学歴・職歴を使って永住権を申請する申請者の場合に該当します。
カナダ政府は、2016年からこの規定の改正につき、議論を重ねてきました。
2018年4月16日発表の改定では、
・ある一定の社会福祉サービス(リハビリ等)や子供の特殊教育については却下の対象としないこと
・年間基準値を約3倍にまで上げること
を決定しました。この結果、今後は多くの障がい者が、健診結果による却下にはならなくなります。また、今までは医療費がかかると思われていた疾患も、近年の医療薬品の向上により、費用が以前ほどかからなくなり、却下になるケースは減ると予想されています。
また、移民局は以下の新ルールを導入しました。
・健診の結果に関しての審査は、移民局の1箇所の部署で集中して行う。これにより、審査オフィスや審査官によって異なる結果が出るということは無い。
・審査官は医療専門用語を避け、わかりやすい言葉で申請者に案内をする。
・健診専門審査官には、さらなるトレーニングを徹底する。
フセイン移民大臣は「これは現代のカナダ人の価値観に沿った改正である」と言っています。また、ダンカンSport and Persons with Disabilities大臣は「これでカナダはより多くの家族を受け入れることができるようになるが、今後も更なる改正の努力が必要である」と述べています。
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