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カナダで外国人就労者(Temporary Foreign Worker =TFW)の雇用をする上で、雇用主は一連の義務を果たし、LMIAの申請を行わなければいけません。今回、カナダ労働省(ESDC)から、様々なケースにおけるLMIA申請時の雇用主の対応について発表がありましたので、紹介します。
LMIA審査プロセスと外国人労働者の保護
LMIAの申請が提出されると、Service Canadaは外国人就労者の雇用がカナダの労働市場にどのような影響を与えるのか評価します。提出された書類を基に、当該外国人の雇用が雇用市場にネガティブな影響を与えるのかポジティブな影響を与えるのかを評価の上、その結果、レターが発行されます。審査後に受け取るその合格レターを「ポジティブLMIAレター」と呼びます。
上記の要件に合わないと評価され、雇用主の義務や条件を遵守していない場合や、外国人労働者が深刻な危機にさらされていると判断した場合、Service CanadaはLMIAの処理を一時的に停止する権利があります。
LMIA審査の一時停止をすることは、外国人労働者が危険な労働環境に置かれることを防ぐためのものです。健康面や安全面が問題ないと確認が取れ次第、停止は解除され、LMIAの処理が続行されます。
LMIA申請と雇用主がすること
ポジティブLMIAレターを受領した場合
- カナダの公式言語(英語または仏語のどちらか、就労者側の選択)で作成した雇用契約に外国人労働者が仕事を開始する日までに署名をすること。
- ポジティブLMIAレターとAnnex A(LMIAレターに添付されている用紙)のコピーを外国人労働者に渡すこと。就労ビザ申請に必要です。
- ポジティブLMIAレターの有効期限内に、永住権申請をするか、就労ビザ申請をするように外国人労働者に伝えること。
- ポジティブLMIAレターやAnnexに間違った情報や必要な変更があれば、直ちにサービスカナダに報告すること。
※2023年10月31日以降、ポジティブLMIAレターの有効期限は12ヶ月です。
外国人労働者の名前がないポジティブLMIAレターが発行された場合
- 雇うべき外国人労働者が見つかったらすぐ、所定のフォームに外国人労働者の情報を記入して提出すること。10名以下のリクエストの場合、Service Canadaコールセンターに電話することもできます。ポジティブLMIAレターの有効期限が切れる前に行う必要があります。
- リクエスト後、外国人労働者の名前が入ったポジティブLMIAレターが発行されます。
- 外国人労働者がカナダ移民局へ就労ビザ申請をするのに必要となるので、ポジティブLMIAレターのコピーを、期限が切れる前に外国人労働者に渡してください。
- 個人情報保護の理由から、Annex Bは雇用主のみで保管し、外国人労働者に渡す必要はありません。
※LMIA審査がネガティブ(却下)の場合でも、申請料の返金はありません。
外国人労働者の名前を変更したい場合
ポジティブLMIAレター発行後に、外国人労働者の名前を変更したい場合、まず、Service Canadaのプロセシングセンターに連絡する必要があります。
その後、【ESDC-EMP5661】という規定のフォームに名前変更リクエストについて記載し、LMIAを審査した場所にEメールで送ります。詳細はこちら。
Eメールを送る前に下記を必ずご確認ください。
名前変更のリクエスト件数 | 送信期限 |
10名以下 | ポジティブLMIAレターの有効期限の15営業日前まで |
10名以上 | ポジティブLMIAレターの有効期限の20営業日前まで |
また、下記に該当する場合、外国人労働者の名前変更はできません。
- 永住権サポート用のLMIA
- Dual Intent(永住権と就労ビザ両方のサポート用)のLMIA
- 季節農業従事者(Seasonal Agricultural Worker)プログラムのLMIA
- すでに就労ビザを提出済みである、あるいは就労ビザが発行されている場合
労働条件を変更したい場合
ポジティブLMIAレターが発行された後に、レターやAnnexに記載されている労働条件などに変更が生じた場合、雇用主は素早く的確な措置を取る必要があります。「Modification to a positive Labour Market Impact Assessment」というページがあるので、雇用主はそのページをよく読み、サービスカナダのEmployer Contact Centreに連絡をする必要があるのか、または新たにLMIAフォームを提出する必要があるのか、参照するよう推奨してください。
移民法(Immigration and Refugee Protection Regulations)の規定に従い、Service Canadaは雇用主がLMIAの雇用条件を遵守しているか監査を行うこともあります。雇用主が保管している書類の提出を求める場合もあり、重要な変更があるにも関わらずService Canadaへの報告がされていない場合は、雇用主が責任を問われることになります。もっと詳しく知りたい方はこちら。
外国人労働者がジョブオファーをキャンセルする場合
外国人労働者がカナダに入国する前に外国人労働者を雇う必要が無くなった場合や、ジョブオファーをキャンセルする場合、雇用主はEmployer Contact Centreと外国人労働者に通知する必要があります。その場合でも、LMIA申請料の返金はありません。
外国人労働者の所在が確認できなくなった場合
ポジティブLMIAレターに記載されている外国人労働者と連絡がつかなくなった場合や、雇用契約の終わりにカナダ出国が確認できない場合は下記に従ってください。
- あらゆる手段で連絡を試みる。
- カナダ国境警備(Canada Border Services Agency)とカナダ移民局(IRCC)に報告する。
- 以下の情報をサービスカナダのLMIAを発行したプロセッシングセンターに報告する。
□LMIAナンバー
□雇用主の名前とビジネスナンバー
□TFWの名前
□出国予定日
□職場の住所(ワークロケーション)
□どのようにTFWがいなくなったか
□その他、有益な情報があれば
書類の保管義務について
雇用主は、外国人労働者が仕事を開始した日から6年間、全ての書類を保管しておく義務があります。6年間はいつでも、プログラム条件を遵守しているか、政府からのコンプライアンスの監査が入ると思っておいてください。
ビザJPカナダでは、外国人の雇用を検討されている雇用主様、複雑なLMIA申請の代行サービスを希望される雇用主様からのご相談をお受けしております。
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