こちらの記事は動画でも解説しています

カナダ移民局は、カナダ政府の職種コード National Occupational Classification (NOC) 2021バージョンへの切り替えを、11月16日より実施することにしています。NOCは定期的に見直され改定されるものです。今回導入されるNOC 2021 バージョンは、職種内容のみならず、分類の構造的枠組みを含め大幅に改定されており、これにより一貫性、正確性、柔軟性が向上しています。

NOC 2021 導入後の主な変更内容

①TEERの導入

現行のNOCシステムが採用する職種スキルレベルによる分け方が、トレーニング、学歴、経験、および責務 (Training, Education, Experience and Responsibilities) に基づいたカテゴリー TEER に置き換えられます。各職種に就くために必要とされるトレーニング、学歴、経歴、及びその職種に関連する職務内容のすべてが評価の対象となり、より正確な評価ができるといえます。

②分類カテゴリーを4段階から6段階へ増設

新しいNOCシステムでは、6つのTEERカテゴリーがあります。現在は4つのスキルレベルのみです。NOC 2016バージョンでは、スキルレベルBに大多数の職種が入っていて（全職種の3分の1）、かなり幅広い雇用条件がここに含まれていました。今回の変更では、各TEERカテゴリーに関連する雇用条件がより明確になり、より一貫性のある均一な分類が可能となります。

またこの中で、エクスプレスエントリーの対象となるスキルドワーカー職は、TEER 0, TEER 1, TEER 2, TEER 3に含まれる職種となります。詳しくはこちらのニュース「従来のNOCと新NOCの対応表」で解説しています。

新 TEERカテゴリー
スキルドワーカー職（TEER 0-TEER 3）

③4階層から5階層の分類システムへの移行

NOCコードは、今までの4桁から5桁へ変わります。この新コーディングシステムにより、よりフレキシブルな分類が可能となり、新しいユニットグループの追加も可能になります。ナンバリングシステムの一貫性も実現できます。

新 NOC コード（5桁）の定義

• 1桁目：幅広い職業カテゴリー
• 2桁目：TEERカテゴリー
• 最初の2桁：合わせて主要グループを表します
• 最初の3桁：サブ主要グループを表します
• 最初の4桁：マイナーグループを表します
• 全5桁：ユニットグループ、または職業そのものを表します

その他、導入された変更点

労働市場の変革に伴う職業への変更

上記の主要な分類の変更に加え、新NOC 2021バージョンでは職業そのものに多くの変更が加えられました。職業への変更は、労働市場の変革にあわせて分類を最新の状態に保つことを目的としています。

例えば、データサイエンティストやサイバーセキュリティスペシャリストなどの職業向けに新しいユニットグループが作成されました。また一部の職業については、統計データ解析の上で独自のグループを構成するのに十分であるとみなされ、例えばファイナンシャルアドバイザーのユニット、警察捜査官のユニット、及び、ソフトウェア開発者とプログラマー向けに3つのユニットが作成されました。引き続き大幅なリニューアルが施されている分野としては、特に、IT分野（情報技術）、医療、農業セクター、郵便サービス、軍事関連の職業があげられます。

新 NOC 2021でのユニット数

ユニットグループ数は、NOC 2016に含まれていた500件から増加し、516件となりました。この516件のユニットグループのうち、423が 現行の NOC 2016のユニットグループと1対1で対応しており、NOCコードは新しい5桁のものに変更されますが、それを除いては NOC 2016 バージョンの分類と全く同じ職業であることを意味します。下記の表は、516件あるNOC 2021 ユニットグループがどのように作成されたかを示しています。

作成経緯別 NOC 2021 ユニットグループの件数

新NOCコード詳細

多くのユニットグループは、関連するジョブタイトル、主な職務内容、雇用条件のリストを詳細に見直して、現在の仕事で確認できる状況を反映していることを確認しています。

新NOCコードのより詳しい変更については、NOC concordance tables で確認することができます。