2025年12月8日、カナダ移民局（IRCC）は、医師不足に対応するために、カナダで1年以上働いている国際医師（＝外国の医学校などを卒業し、カナダで医療行為をする資格を持つ医師）に対して、新たな永住権優遇制度を発表しました。これにより、エクスプレスエントリー優先ドロー開始に加え、5,000人の別枠配分や就労ビザの短期発給など、国際医師の永住権取得の道が大きく開かれます。

今回のカナダ移民局から発表された国際医師の永住優先枠のポイントは以下です。

• IRCCは、過去3年以内に「カナダで1年以上の医師としての勤務経験」がある国際医師を新たにエクスプレスエントリーの優先職種として設定。最初のドローイングは2026年初頭の予定。
• それとは別に、新たに5,000人の人数枠を州・準州に配分し、カナダの免許を持ちジョブオファーがある医師を優先的に受け入れます。これは、通常の州ノミネーションプログラム（PNP）とは別枠です。
• 州から指名を受けた医師には、永住申請中でも働ける「14日以内発給の就労ビザ」が提供され、迅速に勤務を続けられます。

今回発表されたエクスプレスエントリーの優先職種としての 「カナダでの医師勤務経験を持つ申請者」 の主な対象要件は以下のとおりです。対象となるには、次の条件をすべて満たす必要があります。

1. 過去3年以内に、以下の勤務経験があること
   • カナダ国内で、フルタイムで連続12ヶ月以上の勤務経験（または同等のパートタイム勤務時間）
   • 下記の対象職種リストのうち1つの職種での経験であれば、現在の主職種が別でも構いません
     ・NOC31102：General practitioners and family physicians
     ・NOC361101: Specialists in surgery
     ・NOC31100: Specialists in clinical and laboratory medicine
2. 各回のエクスプレスエントリーその時点で行われるラウンド（round of invitation）の詳細要件を満たすこと
   （例：言語スコア、居住地条件など、そのラウンドごとにIRCCが指定する内容）

カナダは慢性的な医師不足に直面しており、特にかかりつけ医（Family Doctor*）や地域医療の現場で深刻さを増しています。今回の制度は、すでにカナダで働いている“即戦力”の国際医師を永住者として確保し、医療サービスを安定させるためのものです。

今回の制度は、すでにカナダで医師として働いている日本人医師にとって、カナダ永住権取得のための大きな追い風になります。

• すでにカナダで医師として働いている日本人医師にとって、永住権への道がこれまでより大幅に開かれる可能性があります。
• ただし、カナダで医師として働くには、州ごとのライセンスや認証が必要であり、これまで通りそのプロセスは別途必要です。

今回のIRCC発表は、カナダでキャリアを築きたい医師にとって大きな追い風です。「カナダで働きながら永住権を取りたい」と考える医師にとって、チャンスが広がった内容と言えるでしょう。

このニュースはカナダ移民局（IRCC）の公式発表を元にビザJPカナダが内容を整理し、わかりやすくまとめたものです。
出典：Targeted immigration measures to boost Canada’s supply of doctors（英語）